大学生の日常をちょっとした漫画にしつつ、ちょいちょい大事なことを伝えられればと思います。ちなみに漫画はコミPo!で作成しました。
【4コマ漫画】計画的に行動するものでしょ!
ロジカル思考の必要性
以前に、【4コマ漫画】どんな論理的な説明よりも納得できる「本の良さ」の説明のしかたとは?で、「こどもロジカル思考」という本を紹介しました。
ロジカル思考は以下のような場面で役立ちます。
- 論理的に説明する・理解する
- 誤った情報に騙されない
- 問題が起きたときに解決策をみつける
「こどもロジカル思考」は、ロジカル思考が何であるか、なぜ必要なのかがとてもわかりやすく記述されている本です。
しかし、子どもが対象となっているので、「お小遣いをアップしてもらうにはどう説得したら良いか」「学校のテストの点数を上げるにはどうしたら良いか」など、題材が小学生向きです(ただし、大人が読んでも役に立つ本です)。
大学生にとって身近な題材を考えることで、ロジカル思考が自分にとって不可欠な能力であることを知ってもらいたいわけです。そのため、4コマ漫画にある「レポートを提出期限までに出せない」という問題についてロジカル思考で対処することを考えてみます。
問題の所在
「レポートを提出期限までに出せない」ことで、どのような不利益が起こるでしょうか。
そのレポートの点数が減点される、レポートを受け取ってもらえず未提出とみなされる、単位が取れなくなるなど、担当教員のレポートに対する考え方や重みによって、様々な不利益が考えられます。単に怒られるだけならマシですが、単位が取れないという最悪の事態に陥る可能性もあります。
それにもかかわらず、レポート提出の遅れを1回や2回ではなく、わりと頻繁に繰り返す学生さんがいます。本来であれば1回遅れることも許されなかったりしますし、もし1回そのようなミスがあったのなら、二度としないという意識が必要とされます。なぜレポート提出の遅れを繰り返してしまうのでしょうか。
できるだけ早いうちに、「レポートを提出期限までに出せない」というクセを直していく必要がありますので、ロジカル思考で対処方法を考えてみましょう。
レポート提出の遅れをロジカル思考で考えてみる
ロジカル思考で考える場合、扱っている問題がどのようになったら良いかという目標を明確にする必要があります。
目標の明確化
「〇月〇日までにレポートを作成し提出できるようにするための具体的な手順を実践できるようになる」ということが目標だとし、以下のような手順を実践できるようにすることと考えます。
①レポートのテーマを確認し、やるべき取り組みを細分化する
- レポートのテーマ、字数などの条件を把握する
- 情報の収集と整理をする
- 論じる内容(主張、根拠など)を決める
- レポートの構成を決めて、作成する
- レポートの見直しを行って、提出する
②提出〆切から逆算して、いつどの取り組みをやるのかを決める
- スケジュールを確認する(提出予定日、空き時間など)
- ①の各取り組みをどの時間でやるのかを決める
③各取り組みを遂行する
- ②の計画にそって、1つ1つの取り組みを遂行する
原因の特定
ロジカル思考では、問題を明確にした後、その原因を特定します。上記のレポート作成の手順をすべて実践できるようになることが目標だとして、そのどの段階で問題が起こるでしょうか。
「レポートのテーマを確認し、やるべき取り組みを細分化する」における原因
- テーマに沿ったレポートがどのようなものかイメージできない
- やるべきことを細分化できない
「提出〆切から逆算して、いつどの取り組みをやるのかを決める」における原因
- 「〇〇に一気にやろう」などスケジュールの組み込み方が曖昧
- レポートに関するスケジュールを忘れる
「各取り組みを遂行する」における原因
- なかなかやろうという気持ちにならない
- やろうと思って時間を確保しても、行動を開始できない
対策の検討
特定した原因をもとに、対応策を考えます。
特定した原因
- テーマに沿ったレポートがどのようなものかイメージできない
- やるべきことを細分化できない
対応策
レポート作成に関する本を用意して、そもそもレポートはどんなものであるか、どのような内容が求められているか、作成のための具体的な手順を把握する
特定した原因
- 「〇〇に一気にやろう」などスケジュールの組み込み方が曖昧
- レポートに関するスケジュールを忘れる
対応策
〇月〇日〇限に図書館で〇〇の本を探す、電車の中で論じる内容を考えるなど、どのタイミングで何をやると良いかの具体化をする。また、そのタイミングや内容を手帳かスマホに記録しておく
特定した原因
- なかなかやろうという気持ちにならない
- やろうと思って時間を確保しても、行動を開始できない
対応策
やるべきことが多すぎたり何をやったら良いかわからないために、なかなか取り組むことができないのであれば、具体的にイメージできるレベルまでやるべきことを細分化する。レポートに取り組むための時間を確保したのであれば「いまから15分間、レポートの構成をパソコンに打ち込む」というように制限時間を設けて取り組むようにする
このような感じで、「レポートを提出期限までに出せない」という問題の対応策を考えてみました。
これらの対応策で実際に、問題が解決されるのかは試してみないとわかりません。試してもうまくいかないという状態であれば、そのうまくいかなかった理由を明確にして、新たな対応策を考えます。そうやってより良い対応策を見つけ出し、問題解決を図っていくのがロジカル思考ということになります。
ロジカル思考で考えなかったら…
「レポートを提出期限までに出せない」という問題に対して、ロジカルに考えられなかったとしたら、どのような対応策をとろうとするでしょうか。精神論に走ることが多いのではないでしょうか。
- 文章作成が苦手ですけど、努力して書けるようにします
- なかなかやる気がでなかったので、やる気を出して早めにレポートをやります
- 忙しくてなかなかレポートができないけど、根性でやり遂げます
- 〆切に間に合うように、今度は計画的にやります
「努力」とか「やる気」で解決できないレベルの問題だから、同じ過ちを繰り返してしまうのではないでしょうか。精神論ではなく、ロジカル思考によって本来の原因を特定し、対処していくことが大切です。
まとめ
ロジカル思考の大切さを学生さんに伝えるための一例を考えてみました。「レポートを提出期限までに出せない」という問題を題材にしましたが、もっといろいろとりあげてみて、学生さんが納得いくような説明を見つけたいと思います。