大学生の日常をちょっとした漫画にしつつ、ちょいちょい大事なことを伝えられればと思います。ちなみに漫画はコミPo!で作成しました。
【4コマ漫画】嫌がらせとしか思えない・・・
この記事の内容
そもそも卒業論文(以下、卒論)は何のために取り組むのでしょうか。
卒論は長期にわたって作成するものであり、負担が非常に大きいことから、何のために卒論に取り組むのかを学生さんが知っておく必要があります。そうしないとモチベーションを維持するのが難しくなるからです。
しかし、教員側からすると、卒論に取り組む理由をどう説明したら良いかいつも困ってしまいます。どう説明したら学生さんに理解してもらえるのかが難しいということです。
なぜ卒論に取り組むのか、それがどうして伝わりにくいのかを整理してみます。
卒論に取り組む理由に対する教員と学生さんのズレ
卒論に取り組む理由を、本や論文、ネットなどで調べると、文章能力や問題解決能力、パソコンスキル、プレゼンスキルなどを身につけるといった内容があがってきます。これは、実際に卒論指導する教員や、卒論を終えた人からすれば、よく理解できる話です。しかし、これから卒論に取り組む学生さんにとっては、なかなかイメージができないものです。
教員や卒論経験者からすると、卒論に取り組む理由は、卒論をとおして得られる様々なスキルの獲得になります。一方、これから卒論に取り組む学生からすると、卒論に取り組む理由は単位の修得です。
そのため、卒論に取り組む理由に大きなズレがあることになります。学生さんが意欲的に卒論に取り組めるようにするためには、このズレを解消する必要があります。
ズレを解消するためには、教員側が学生さんの考えに歩み寄る、学生さんの考えを教員側に近づける、教員側と学生さんの考えを一致させるといった方法が必要になるのではないでしょうか。具体的には次のとおりです。
教員側が学生さんの考えに歩み寄る
教員側が学生さんの考えに歩み寄るということは、単純に卒論を単位のためと割り切ることになります。
場合によっては、卒論のレベルを下げることになりますが、負荷を軽くするため、学生さんにとってラクになるだけでなく、最低限必要なことにポイントを絞って指導できるので、教員にとっても指導しやすくなります。ヘタしたら、文献の引用ルールや字数などの最低条件を満たしたらOKみたいな感じになるかもしれません。
こんなことをやっていると、年々卒論の質が下がっていくと思いますが、大学4年次に公務員試験などを控えているなどの理由で、あるていど卒論については割り切らないといけない場合に有効かもしれません。
学生さんの考えを教員側に近づける
学生さんの考えを教員側に近づけるというのは、卒論をとおして様々なスキルが得られるなどのメリットを学生さんに理解してもらい、意欲的に取り組んでもらうということです。
そのためには、それらのスキルが、如何に将来役に立つのかを日頃から伝える、解決すべき問題に出会うという場面を疑似体験させるなどが必要になってくるかもしれません。
スキル獲得がメインの目的となるのであれば、どのていどスキルを獲得できたかに関して評価し、成績をつけるなどすると良いかもしれません。卒論の内容よりも、スキル獲得に重きを置く必要があります。
教員側と学生さんの考えを一致させる
教員が考える卒論に取り組む理由と学生さんが考える卒論に取り組む理由を互いに歩み寄らせて一致させるということです。
卒論によって得られるスキルの獲得という目的と、卒論を作成し単位が得られるという目的を一致させることになるので、様々なスキルを獲得した先に卒論完成が待っており、それによって単位を修得できるという理想の状態になっていると良いわけです。
卒論に一生懸命取り組んできた方であれば、「こんなスキルが身についた」と自信を持っていえるのだと思いますが、それは結果的にそうであったという話です。大事なのは、卒論にこれから取り組む人が、「こんなスキルが身につけられるんだ」と思って、卒論に取り組めるようにすることです。
そのためには、獲得できるスキルについて「見える化」し、それが卒論作成と連動するようになっていると良いのかなと思います。
卒論によって獲得できるスキルを意識づけるために
卒論に取り組む理由に対する教員と学生さんのズレを解消させる方法を検討してみましたが、教員の立場で、卒論を単位のためと割り切るのは問題があると思います。
やはり卒論をとおして獲得できるスキルは重要であり学生さんに身につけてもらいたいものです。
多くの学生さんは研究者になるわけではありませんが、卒論で培われる能力が具体的にどのように役に立つのかを明確にする必要があります。例えば、次のようなスキルが身につくということになりますが、これらをもっと具体的にイメージできるように、今後の記事で考えていきたいと思います。
- 論文に触れることで、論理的な文章を読み取る力、記述する力が身につく
- 解決すべき問題のどこにボトルネックがあり、それをどのように解決するのかを見通して対応できる力が身につく
- 適切な情報を見つけ、それを整理する力が身につく
- ディスカッションなどをとおして他者と協働して取り組む力が身につく
- プレゼンテーションの能力が身につく
- 文章作成、表計算、プレゼンテーションなどに必要なパソコンスキルが身につく
- 卒論で取り上げた内容に関わる専門的な知識が身につく
- 長期的に取り組む課題に対するタスク管理・スケジュール管理能力が身につく
- 複数の仕事を効率良く片付ける力が身につく
まとめ
この記事は、何だか自分用のメモでしかないですね。今後、私自身が何を悩んでいこうかの方針みたいなものです。
学生さんの将来を考えたときに、教員としてできることは、卒論を有意義なものとし、社会で役立つスキルを身につけられるようにすることです。
どんなスキルがあり、それをどのようにしたら身につけられるのかをしっかり考えていき、記事に掲載していきたいと思います。