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【漫画付き】卒論で問いを立てるってどういうこと?卒論を大きく前進させる問いの6つの条件

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記事の要約

  • この記事では、卒業論文(卒論)のテーマにおける問いの考え方について解説しています。
  • 卒論に適した問いには、満たすべき6つの条件があります。
  • 問いを考えるときには、資料を批判的に読み、疑問をもつことが大切です。

はじめに

この記事では、卒業論文(卒論)における問題提起の部分である問いを立てるについて解説していきます。どのような問いであれば、卒論をうまく進めていくことができるでしょうか? 問いの考え方を説明し、適切な問いとなっているかを確認するためのチェックリストを紹介します。

卒論における問いって何?どう考えるもの?

卒論において、問いを立てるというのは、最も重要なスタート地点ともいえるステップです。そもそも卒論は、自ら立てた問いに客観的な証拠によって答えるものです。問いがなければ卒論ではありません。適切な問いができるかどうかで、卒論として成り立つかどうかが変わってきます。

なお、卒論のステップの全体像はこちらの記事をご覧ください。

卒論で立てる問いというのは、卒論テーマに関わる何らかの疑問ということになります。しかし、どのような疑問でもよいわけではありません。ちょっと調べればすぐに回答がみつかってしまうような疑問や、どんなに調査をしたところで回答することが困難な疑問もあります。また、調べたところで、「誰得」な疑問もあります。したがって、卒論で立てるべき「問い」には、条件があります。

卒論テーマに関して「問いを立てる」というのは、現実の問題に直面したときに、問題提起をする部分になります。問題解決における問題発見、つまりそもそも何が問題なのかを明確にする段階です。また、その際には、批判的に物事をとらえる思考が役立ちます。このように、問いを立てる力をつけることで、問題発見や批判的思考力など、生涯役立つと考えられる賞味期限のないスキルの獲得につながっていきます。卒論と賞味期限のないスキルの関係については、以下のページをご覧ください。

よい問いの条件は?

どのような問いであれば、卒論に適しているといえるでしょうか。基本的に、以下の条件を満たす問いであるとよいでしょう。

卒論を進めていくための問いの条件
  • 新規性がある問いである
  • 先行研究と関連性がある問いになっている
  • 「なぜ?」「どうすれば?」「するべき?」といった疑問形式になっている
  • 研究可能な問いになっている
  • 研究のテーマ、自身の関心に沿った問いになっている
  • 問いの答えが、自分以外の人にとっても有益な情報になる

1つ1つ理由をみていきましょう。

新規性がある問いである

卒論には、オリジナリティが必要です。それがなければ単位が認められない可能性が高いです(ふつうは!)。オリジナリティというのは、まだ誰も着手していない問題を研究するということです。そのため、新規性のある問いをみつけて、その問いに回答できるように卒論に取り組んでいく必要があります。

ちなみに、オリジナリティといっても、誰も考えたことのないような大発見的なものを卒論で取り組むということではありません。研究したいテーマに関する最新の研究を読んで、その研究上の穴(ちゃんと確認できていない部分)を指摘して、自分の研究にするということです。どうしても難しければ、最新の研究に記載されている「今後の課題」をみるとよいです。ヒントがいっぱい書かれています。

先行研究と関連性がある問いになっている

問いは先行研究と関連があるべきです。関連があるというのは、先行研究の内容をみて、「なぜこうなの?」という部分を問いにして、その問いを自分の研究にするということです。何の先行研究もなく研究をするということ自体が「ありえない」と思いましょう。

そのため、先行研究について徹底的に情報収集、すなわちリサーチをすることが不可欠です。リサーチについては、以下の記事をみていただくとよいでしょう。

「なぜ?」「どうすれば?」「するべき?」といった疑問形式になっている

問いというのは言い換えれば疑問です。先行研究を読んで、そこで主張されていること、研究結果、結論などのいろんな部分について、疑問をもつことです。しかし、どんな形式の疑問でもよいわけではありません。「なぜ〇〇なの?」「どうすれば〇〇できるの?」「〇〇するべき?」といった形式の疑問にするほうが卒論をうまくすすめやすいです。

例えば、「大学生の就職活動におけるSNS活用」をテーマとした場合、以下のように考えることができるかもしれません。以下のような疑問は、さらに話を膨らませることが可能となります。

おすすめの疑問の例と話を膨らませた例
  • なぜSNSのなかでも〇〇を活用するのか?→〇〇は文字情報よりも画像情報がメインであり、目にとまりやすいかも
  • どうすればSNS以外の情報を活用するようになるのか?→SNSから別の情報に誘導できるようにしてはどうか
  • 就職活動にSNSを積極的に活用するべきか?→SNSだけでは、企業情報を正確に入手できない可能性があるのではないか

ここからさらに話を広げていけそうだし、調査によって何らかの問題解決につなげることができそうです。それに対して、「何?」「どれ?」のような疑問は、実態調査にとどまる傾向があります。

おすすめできない疑問の例
  • 就職活動で使われやすいSNSは何か?→〇〇である
  • 大学生は就職活動のどの段階でSNSを使うのか?→企業情報を調べる段階

確かに疑問に対する回答は得られますが、実態調査は、何らかの問題を解決する方向に考えにくくなります。だから何?で終わってしまう傾向があります。

なお、「なぜ〇〇なの?」「どうすれば〇〇できるの?」「〇〇するべき?」といった疑問形式になっていても、調べればすぐに答えがでてしまうような問いは、不適切です。例えば、「なぜ、ふるさと納税という制度ができたのか?」なんていうのは、調べればすぐに答えがでます。新規性がないですし、研究するまでもないです。

なお、これらの内容は、以下の本を参考にしました。

研究可能な問いになっている

問いのなかには、そもそも研究不可能なものもあります。「10年後の日本はどうなっているのか?」なんて未来にならなければわからないものは研究できません。「臨死体験によって霊感が身につくのか」なんてのも確かめようがないですね。問いそのものがあいまいで確かめられないものもあるし、明確な問いであってもデータがとれないようなものもあります。

不適切な問いの例を以下の記事でも示していますので、みてみてください。

研究のテーマ、自身の関心に沿った問いになっている

自分自身の関心に基づいて設定した研究テーマに沿っていることも大切です。もともと考えようと思っていたことから、脱線してしまうと、卒論をやるのが嫌になるかもしれないからですね。よい問いができたとしても、自分自身がまったく興味関心のない問題であったとすると、出てきた結果を解釈したり考察するときに苦労してしまいます。

問いの答えが、自分以外の人にとっても有益な情報になる

卒論で取り組む研究には、社会的に価値がある必要があります。設定した問いの答えが、自分と同じような悩みをもつ他者にとっても役に立つのであれば、それは価値のある卒論になります。「誰得」なものは、卒論にはできないですからね。

どうしたら問いって考えられるの?

卒論テーマに関する適切な問いは、どのようにみつけていくとよいでしょうか? 上述した「卒論を進めていくための問いの条件」を満たすためには、以下のように考えていきます。

①資料を批判的に読む

問いを立てるためには、集めた資料を批判的に読んで、疑問を持つことが重要です。それらの疑問のなかから、研究として取り組んでいく「問い」をみつけることになります。したがって、まずは資料を批判的に読んでいくことです。

では、批判的に読むためには、どのような読み方をしたらよいのでしょうか。例えば、以下のような姿勢で読んでみるとよいでしょう。

批判的に読むポイント
  • 著者が何を言いたいのか、根拠は何かをしっかりつかむ
  • 示された証拠や事実が本当に正しいのか、よく調べる
  • 話の筋道に飛躍や矛盾がないか、しっかりチェックする
  • 著者が当たり前だと思っている前提条件に気づく
  • 著者の意見に偏りや個人的な考えが入っていないか探る

「人を疑うようで嫌だ~」とか言ってちゃダメですよ。たいていの情報は、相手を強引に説得しようとして、あの手この手で攻めてくるわけですから。よーく見れば、穴だらけなんですから。

②「なぜ?」「どうすれば?」「するべき?」といった疑問で考える

批判的に読んだら、そこから疑問がわいてきます。例えば、「大学の授業の内容を確実に理解するためには、予習・復習をするべきである」という主張があったとしましょう。「予習・復習はどうやってやるの?」「予習・復習の時間がとれないときは?」「予習しようにもどこをやればいいのかわからない」とか、いろいろ疑問がありますね。

卒論の研究につなげやすい、そして結論がでやすい問いは、「なぜ?」「どうすれば?」「するべき?」形式の疑問がよいでしょう。先ほどの予習・復習の例であれば、以下のような感じです。

なお、これらの内容は、以下の本を参考にしました。でも、是非を問うって難しいですね。何だか、やりたくないための言い訳になっちゃいました・・・。

③問いが「卒論を進めていくための問いの条件」を満たすかをチェックする

問いができあがったら、上述した「卒論を進めていくための問いの条件」を満たすのかを確認します。もし、条件を満たしていないのであれば、見直しをしましょう。そのため、資料を批判的に読む段階で、できるだ多くの問いをみつけておいたほうがよいでしょう。そのなかから、「卒論を進めていくための問いの条件」を満たす問いを選ぶようにすれば、スムーズに進められます。

なお、当ブログで示している卒論漫画(以下)では、問いを立てることについても少しずつ紹介しています。

問いを立てるのがどうしても難しい…、そんなときは生成AIでトレーニングしてみる?

そうはいっても、問いを立てることがどうしても難しいという人がいますよね。例え、論じられてる内容に対して疑問をもったとしても、それが適切なのかどうかという判断も難しいかもしれません。

そんなときは、生成AIを活用して、自身が立てた問いに対してフィードバックをもらいながら、よりよい問いを立てられるようにしてはいかがでしょうか。スムーズに問いを立てられるようになると、卒論だけでなく、社会に出てからの情報収集やリスキリングなどで学習する機会があったときにも、必ず役に立ちます。

以下の記事では、「問いを立てる」を含め、大学生活をうまいことやるための6つの生成AIトレーニングを紹介しています。

おわりに

この記事では、適切な問いを立てるために、満たすべき条件について解説しました。その満たすべき条件は、以下のとおりです。

卒論を進めていくための問いの条件
  • 新規性がある問いである
  • 先行研究と関連性がある問いになっている
  • 「なぜ?」「どうすれば?」「するべき?」といった疑問形式になっている
  • 研究可能な問いになっている
  • 研究のテーマ、自身の関心に沿った問いになっている
  • 問いの答えが、自分以外の人にとっても有益な情報になる

これらを満たすことで、卒論をスムーズに進めていくことができるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。そして、これらの条件を満たす問いがみつかったのであれば、卒論の次のステップに進んでいきましょう!

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