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【笑える漫画付き】「楽単」と言うなかれ。大学教員の立場でさえ言いたい!大学授業における身の丈に合った履修戦略の大切さ

大学生の日常をちょっとした漫画にしつつ、ちょいちょい大事なことを伝えられればと思います。ちなみに漫画はコミPo!で作成しました。

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【漫画】「楽単」はダメですか?

大学生のモチバとジュリがどの授業を履修するかで悩んでいます。

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はじめに

この記事では、「楽単」について思う事を書いてます。私自身、いろいろ学生さんを見てきて感じたことを反映した内容であり、あくまで個人的な考えです。

言いたいことは、「楽単」と言われる授業でも、取り組み次第で学べることは多いと思われるし、情報収集して自分に合った履修戦略を立てる力は社会に出てからも役立つということ。一方で、「『楽単』なんて邪道だ!」みたいな変なこだわりを持ってしまい、あえて困難な授業をとって単位がとれなくなってしまうようなことは避けるべきということです。

大学授業の「楽単」って何?どうやって調べるの?

「楽単」とは、大学生が単位取得には必要最小限の労力で済むとされる授業の俗称です。例えば、試験が簡単だったり、そもそも試験をしない授業、授業で課される課題が少ない、授業内容が簡単であるなど、その特徴は様々です。

サイトによっては、出席が重視されない授業などの話もあります(後述するように、この考えは危険だと思います)。

「楽単」を見つける方法はいくつかあるようです。まず、「先輩から聞く」ことが最も一般的な方法で、特に同じ大学の先輩から直接聞いたり、先輩と仲の良い友人から情報を得ることが有効とされます。実際に授業を受けた先輩ならではの情報といえるでしょう。ただし、先輩のときとは担当教員が代わっていることもよくあるし、担当教員が同じでも、方針が変わっている場合もあります。先輩からの情報を鵜呑みにするだけだと、危険です。ちゃんと情報収集しましょう

また、インターネット上の口コミから情報を得られる場合があるようです。その場合も、その情報のときと現在が同じであるかなど確認が必要です。ある授業の口コミがあったと思って日付をよくみたら、5年も前の話だったということもあり得ます。

最も誤りの少ない情報は、「シラバス」ではないでしょうか。シラバスには、どんな内容で、どのようなやり方の授業なのか、どのように評価するのかが記載されています。以下の記事では、シラバスの見方を説明しています。

結局のところ、上記のようにして得られる様々な情報をもとに、情報の信頼性を考慮しつつ、「楽単」をみつけるということになるでしょう。

大学授業において「楽単」を履修するメリットとデメリット

「楽単」に関しては、メリット・デメリットもとりあげられています。それをまとめてみましょう。

「楽単」履修のメリット

「楽単」を履修する最大のメリットは、少ない労力で単位を修得できることです。例えば、課題が少なければ、その分を他の科目の勉強や、サークル活動、アルバイトなどに割り当てることができます。

また、手の届く範囲の努力によって、高成績をおさめることができ、全体の成績の平均点を表すGPAを高めることにつながります。GPAが高ければ、大学院の試験や就職活動で役立ってくる可能性があります。なお、以下の記事の後半では、GPAとは何かについて説明しています。

さらに、「楽単」を見つけるという共通の目的のもと情報収集を行うことで、先輩や友人との関係作りに役立ってくる可能性もあります。なお、後述しますが、目的のために情報収集する活動は、就職してからも大事なスキルになりうる可能性があります。

「楽単」履修のデメリット

「楽単」についてはデメリットもあげられています。その1つが、授業内容の理解が浅くなり、学問の深い理解や自己成長に繋がらない可能性があることです。単に「楽すること」を目的に「楽単」ばかりを狙い、学びに対する意欲を持たないまま単位を取っていたのだとしたら、就職した際に、専門知識や深い洞察力が求められる場面で困難に直面することになります。

また、自己管理能力が育たない、努力の大切さが身につかないなどのデメリットも生じる可能性があります。その意味で、長期的には自己の成長を阻害する可能性があるということになります。

ただし、これらは「楽単」を履修することが問題なのではなく、学びに対する姿勢が問題ということです。「楽単」であっても、意欲をもって学ぶのであれば、デメリットにはならないでしょう。

「落単」するぐらいなら「楽単」もアリ?

大学は勉強するところ。それは間違いないし、学費を払っているのだから、しっかりと専門性を身につけ、将来の役に立てるべきだと思う。また、学んだことによって、視野も広がり、イメージできる将来像も広がっていくかもしれない。

一方で、身の丈に合った履修戦略は不可欠だと思う。「楽単」と同じ音節だけど、まったく異なる意味の「落単」という言葉もあります。要は単位を落とすということ。「楽単」科目とは正反対の難易度の高い科目の場合、「落単」の可能性が高まります。大学の授業についていくのが精一杯な学生の場合、不必要に難易度の高い科目を履修する必要はありません。難易度の高い授業には、以下の記事に説明しているようなものもあり、聴いて理解が難しい学生は出来るだけ避けた方が良いです。

また、以下の記事は大学でよく見られる定期試験のタイプを説明しています。苦手なタイプの試験だと「落単」の可能性も高まります。

しかしながら、実際に、身の丈に合わない、というか自分に対するイメージと実際に出来ることが一致せず、無理な努力をして何も得られなくなってしまう学生もいます。

当然、能力が高くて難しい授業でも単位を取る力が十分にある学生は、自分の将来のためにぜひ学びを深めていったほうが良いでしょう。しかし、標準年限で卒業できることが最優先です。意欲はあっても、能力的に人より努力あるいは支援が必要な学生は、卒業という目的のための効率の良い履修の仕方が必要です。

自己評価が困難な学生のなかには、「例え、できなくても、先生はきっと努力を見てくれる」と信じている方もいます。そういう先生もいるにはいますが、本来、単位というのは、シラバスに記載された到達目標に達しているかどうかで出さなければならないわけです。「頑張ったからそれで良い」という話ではない。単位を取るのに労力が必要な難しい科目は、そういうタイプかもしれません。つまり、「きっと努力を見てくれる」に期待しないほうが良いかもしれません。

「楽単」履修を積極的にすすめるわけではありませんが、難易度の高い科目を履修するのであれば、「楽単」科目で卒業を保証しつつ挑戦するのも手だと思います。「落単」が積み重なって、卒業ができない、退学というケースになるぐらいなら、身の丈に合った履修戦略は重要だと考えます。

ただし、「楽単」には、以下の点で注意が必要です。

他者にとっての「楽単」が自分にとっての「楽単」とは限らない

どの科目が「楽単」であるかは、人によって異なります。例えば、レポートが得意な人にとっては、レポートの配点が高い授業が「楽単」に該当するかもしれません。一方、レポートなどの課題が多いとさばけなくなってしまう人にとっては、レポートをあまり課されない授業が「楽単」になるかもしれません。「楽単」科目をみつけるためには、先輩や友人等からの情報は重要な手がかりとなりますが、その人たちにとっての「楽単」が必ずしも自分にとっての「楽単」とは限らないということに注意が必要です。その意味では、自分自身の得意と苦手を冷静に分析し、自分にとって得意な形式の授業を選ぶことが重要となります。

その一方で、多くのサイトで「楽単」科目の特徴としてとりあげているものの1つに、「出席を重視しない授業」というのがあります。実際にそのような授業もあるのでしょうが、私の個人的な考えとして、将来、是正される可能性がある部分ではないかと思います。なぜなら、出席は大学で規程されていることだからです。通信制の大学でないのなら、「出席しなくても単位がでる」は本来はあってはならないわけです。大学の様々なルールを定めている「大学設置基準」第21条では、単位について以下のような決まりがあります。

「大学設置基準」の単位に関する記述の概要
  • 45時間の学修をすることで1単位となる。
  • 講義や演習は、15時間から30時間までの範囲で大学が定める時間の授業をもつて1単位となる。つまり、45時間のうち、15~30時間の対面指導が必須ということ。
  • 実験、実習、実技については、30時間から45時間までの範囲で大学が定める時間の授業をもつて1単位となる。45時間のうち、30~45時間の対面指導が必須ということ。

例えば、講義科目で、1単位をとるためには、教員と学生が少なくとも15~30時間直接会って指導が行われていなければならないわけです。その時間分だけの出席が必要ということになります。2単位の講義科目だとしたら、30~60時間分の出席がないと単位として認められないわけです。大学等によっては、出席の状況を事務に提出させる場合もあるため、本来、「出席なし」で単位がでるとはならないわけなんですね。

実際にはそのような授業があるかもしれませんが、教員がこっそりやっていることであり、いつか是正される可能性もあるのではないかと思います。

「出席しなくても単位がでる」科目を探そうとするよりも、「出席はするもの」という風に自分自身の意識を変えていくことも重要ではないかと思います。以下の記事では、出席の考え方をちょっとしたマンガとともに説明しています。

このことを含め、先輩の代では許されていたことが自分の代では許されない可能性も十分にあります。古い情報にとらわれ、欠席しまくって「落単」しても自己責任になると考えましょう。

なお、どうしても出席を減らしたいというのであれば、検定試験合格をもって単位認定される制度を利用するとよいかもしれません。大学によっては、そのような制度を設けている場合があります。例えば、英検〇級などに合格することで、大学にて英語関係の科目が単位認定されるというような感じです。外部の試験に合格してしまえばよいので、出席は不要となります。どうしても出席なしで単位をとりたいなら、そういう制度を利用することが考えられます。大学の制度について自ら勉強し、その制度を利用して効率良く単位をとっていくことはとても良い戦略です。

「楽単」活用から学べること

「楽単」科目を履修することで、卒業の可能性が高まるし、高成績を修められる可能性があります。「楽単」ばかりだと何も見につかないみたいなネガティブな見方もあるようですが、「楽」か「努力」かという両極端な見方ではなく、卒業を保証したうえで、しっかり学ぶという考え方に立てば、「楽単」も悪くないのではないと思われます。

そもそも「楽単」だから学べないというわけではありません。学べるかどうかはあくまで授業を受ける側の姿勢の問題です。単位を修得しやすい科目であっても、しっかりと先生の話を聞き意欲的に授業に取り組んでいれば、学べることも多いはずです。

逆に、難しい科目であっても意欲がない人であれば、たいした力にならない可能性があります。そう考えると「楽単」によって、単位修得が保証された状態で、安心して意欲的に学ぶという姿勢で授業を受ければよいと思われます。

自分にとっての「楽単」を見つけ出し、戦略的に履修する際には、以下のような力が必要となってきます。

  • 自分に合った科目を履修するために、自分自身の得意なことや苦手なことに向き合う力
  • 先輩や友人から情報を得たり、必要に応じて一緒に履修して情報共有しながら単位をとっていく協調性とコミュニケーション能力
  • 先輩・友人からの情報だけでなく、シラバスを活用したり、必要に応じて教員に質問するなどして、的確な情報を獲得する情報収集能力と情報を客観的に読み取る力
  • 検定試験合格による単位認定や放送大学等との単位互換制度など、各大学で設けられている使える制度を理解し活用する力

大学では単位をとって卒業することが目的となりますが、こうした力は、社会に出て与えられた仕事をこなしていく際にも役立ってくるのではないでしょうか。その意味では、自分に適した「楽単」探しは、社会に出るためのトレーニングになるのでは?と、ホントのところはよくわかりませんが、少し思っているところです。

おわりに

「楽単」科目について、個人的に思うことを述べてみました。卒業という目標を達成するために、自分に合った科目を履修していくことは決して悪いことではない。

「楽単」と言われる科目であっても、単位修得を保証しつつ、学ぼうとする姿勢でいるのであれば、意味があるのでないでしょうか。また、自分に合った「楽単」を見つけるための様々な力は、きっと社会に出てからも役に立つのではないか、といったことを述べました。

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