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【漫画付き】卒論って何を書くの?含めるべき8つの内容と書き方のポイント

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【漫画】卒論には何を書くの?

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記事の要約

  • この記事では、卒業論文(卒論)の執筆において、どのような内容を含めていかなければならないかを解説しています。
  • 卒論では、最低限書かなければならない8つの内容があります。
  • 卒論を効率よく書くためには、どのような構成で書くのかをおさえることが大切です。

はじめに

この記事では、卒業論文(卒論)の執筆において、そもそもどんな内容を書いていくのかを解説していきます。卒論には、どのような内容が含まれるのでしょうか? 卒論に含めるべき内容やそれをどのように構成するのかを説明し、卒論に必要な内容が含まれているかどうかを確認するためのチェックリストを紹介します。

卒論って何を書くの?

卒論には、何を書くとよいのでしょうか? 多くの人がそういう疑問を持ちます。当たり前ですが。なぜなら、20000字とか言われる卒論において、そもそも何を書いたらいいからわからないと、見通しが持てませんよね。だからと言って、意味のない文章で強引に文字数を増やしたり、やたらと図表を増やしても文字数を稼ぐのは、おすすめできません。そんなことをしなくても、書くべき内容を読み手に伝わるように丁寧に書いていけば、文字数を達成することは十分可能です。適切な文字数の増やし方については、以下の記事を参考にしてください。

さて、ここまで、しっかり問いを立て、適切な方法で研究をしてきたのであれば、ほぼほぼ書く内容が定まってきます。卒論でやってきたこと全体をまとめるのが、卒論だからですね。

なお、卒論のステップの全体像はこちらの記事をご覧ください。

卒論は論理的な文章です。卒論テーマに対して定めた問いを、証拠に基づいて論理的に説明し、回答する形で作成する報告書のようなものです。難しく感じるかもしれませんが、どのような手順で説明していくのかが、あるていど決まっているものでもあります。したがって、説明すべき内容をどのように組み立てるのか、そのためにはどのように構成するのかをおさえることが大切です。

卒論で書くべき内容やその説明のしかたを身につけるということは、自己表現能力や問題解決における解決策の立案、説明のために情報を活用する能力など、生涯役立つと考えられる賞味期限のないスキルの獲得につながっていきます。卒論と賞味期限のないスキルの関係については、以下のページをご覧ください。

卒論にはどんな内容が含まれる?

卒論には、どのような内容を書くのでしょうか。実際には、研究内容によって含めるものは異なってきますが、以下に示す内容は共通して必要なものとなります。

卒論に含める内容
  • 社会的背景を明確に説明しており、研究の意義が理解できる
  • 重要な用語を適切に定義している
  • 信頼できる資料に基づいて体系的に説明している
  • 資料を批判的に検討し、課題や問いを立てている
  • 問いに基づいて研究の目的を明示している
  • 客観的なデータや資料によって仮説や主張について検証している
  • 研究の目的に対する結論が明確に述べられている
  • 研究の成果、限界、今後の課題を説明している

どのようなことなのかを1つ1つみていきましょう。

社会的背景を明確に説明しており、研究の意義が理解できる

卒論では、何のためにその研究を行ったのかを説明する必要があります。研究をする意義を明確に説明し理解できるように文章を書いていきます。そのためには、世の中にどんな問題があって、その問題のなかでも本研究では、特にここに注目したのだ、という説明をします。その注目した部分が、問いということになります。そして、その問いに対する回答を明確に示すことが、世の中の問題を解決するために役立つのだということが分かるように説明します。世の中の問題という社会的背景があって、そのために卒論に取り組んだという流れにもっていきます。

例えば、「大学生の就職活動におけるSNSの活用」をテーマにしていたとして、問いとして、「SNSでは企業に関する情報を的確にとらえられないのではないか」というのをあげていたとします。そうすると以下のような流れが考えられるかもしれません。

話の展開の例
  • (社会的背景)大学生の就職に関するミスマッチの問題がある(就職したけど、思ってたのと違った、みたいなことが起こって、すぐにやめてしまう)
  • (・・・・・)ミスマッチの原因の1つとして、企業に関する十分な情報収集ができていないことがあげられる
  • ( 問い  )その原因として、大学生がSNSからの情報のみに頼りきっており、SNSでは企業に関する情報を的確にとらえられなかったのではないか

というような感じです。ちなみに、これは何も調べずにテキトーに書いたものなので、実際にはどうなのかはよくわかりません。あくまで例えです。

言いたいことは、社会的背景をしっかり述べて、卒論で取り組む研究がいかに重要なのかを説明するということです。

なお、他者にとって知ったこっちゃないような個人的な興味は、基本的には書きません。例えば、「私には兄がいます。就職活動でSNSを使っていて、そこで得られた情報を信じていたら、いろいろ失敗したことを聞きました。そのため、私はこのテーマに興味をもちました」といったことを、卒論の中には書いたりはしません。たまに、こういったことを「書いてもいいよ」と言ってくれる指導教員もいますが、普通は論文ではこのような内容は書きません。これについては、以下の記事をみていただくとよいでしょう。

重要な用語を適切に定義している

重要な専門用語は、適切に定義してから使用します。そうしないと、読み手によって、その用語のとらえ方が変わってしまい、卒論で説明している内容に誤解が生じたり意味不明になったりするからです。

このことは日常生活でもけっこうあります。 例えば、「人の行動には必ず目的がある」という意見があったとします。それに対し、「目的のない行動も存在する」という意見があり、その例として、「海外の公園のベンチで、ただのんびり本を読んだりしたいときがある。そのために旅行に行くのは、目的のない行動だ」という話。しかし、「人の行動には必ず目的がある」という立場の人からすると、「のんびりする」というのが目的じゃないか、という話になる。

結局のところ、目的をどうとらえるのかの違いなのですが、「行動には必ず目的がある」「目的がない行動もある」の的外れの議論を行うわけです。えんえんと・・・。

だからこそ、重要な用語は適切に定義する必要があります。また、誤解を招きやすい用語も、定義しておくことが大切です。

さて、用語を定義するとは、その用語が表す範囲や条件などを明示するということをいいます。例えば、先ほどの「目的」を仮に「人間の行動や思考の方向性を決定する要因」という感じで定義したとします(ちゃんと調べてないので不正確です。あくまで例えです)。この場合、「人間の行動や思考」に影響するものであること、その方向性を決定するものであること、などの条件が明確になるわけです。本来、目的というのは組織や団体の行動にも関わってくることになりますが、ここでは「人間の」というように範囲を限定していますね。

当然、用語は好き勝手に定義してはいけません。上述したのは、あくまで例えです。先行研究や専門書を確認しつつ、定義すべき用語を正確に定義しましょう。

信頼できる資料に基づいて体系的に説明している

卒論を書くときは、テーマに関する大きな部分から始まり、内容を絞っていって、研究の目的へとつなげていきます。そして、それらは信頼できる資料から構成されていて、論理的に展開していきます。「社会的背景を明確に説明しており、研究の意義が理解できる」に記した内容と重なる部分でもありますので、その際に用いた「大学生の就職活動におけるSNSの活用」を例として示します。

話の展開の例(再掲)
  • (社会的背景)大学生の就職に関するミスマッチの問題がある(就職したけど、思ってたのと違った、みたいなことが起こって、すぐにやめてしまう)
  • (・・・・・)ミスマッチの原因の1つとして、企業に関する十分な情報収集ができていないことがあげられる
  • ( 問い  )その原因として、大学生がSNSからの情報のみに頼りきっており、SNSでは企業に関する情報を的確にとらえられなかったのではないか

最初に、大学生の就職事情という大きな問題から始まり、企業に関する不十分な情報収集という問題を特定したうえで、SNSによる情報収集という1つの問題に注目しています。実際には、いろんな根拠資料をとおして、これらの流れが正しいかどうかを確認しつつ説明しますが、全体の流れとしては、大きな問題から始まり、1つの問題にしぼっていくという書き方になります。

資料を批判的に検討し、課題や問いを立てている

卒論において、先行研究において明確になっていない課題や問いを指摘し、自分の研究の目的とします。そのためには、卒論の中で、それぞれの資料について批判的に説明し(例、田中(2015)は、〇〇であることを指摘した。しかし、山田(2016)の知見に基づくと、△△であることが考えられる。本研究では・・・)、どのような課題があるのかを説明したうえで、問いを導いていきます。これらのプロセスを卒論のなかに実際に記述していきます。

なお、問いを立てることに関する記事は以下をみてください。

問いに基づいて研究の目的を明示している

問いというのは疑問です。「大学生の就職活動におけるSNSの活用」という例を用いて考えた場合、例えば、「SNSでは企業に関する情報を的確にとらえられないのではないか」という問いが考えられます。

この問いに回答するために、明らかにする内容が「研究の目的」です。例えば、「SNSを主な情報源とする大学生に比べ、他の情報を活用する大学生のほうが、企業に対する理解が正確なのではないか」という感じですかね。この例が実際に検証可能かどうかは調べてないのでわかりませんが、問いに回答するためには、何かを比較する方向に目的をもっていくとよいと思われます。上記の場合であれば、他の情報を活用する大学生のほうが企業に対して正確な理解をしているのであれば、問いのとおりだったと回答できるし、SNSを主とする学生と違いがないとか、SNSを主としたほうが正確な理解というのであれば、問いは間違っていたと回答できるわけです。

こんなふうに、問いにどのようにして答えるのかなど、研究で明らかにしようとしていることを明示していることが大切です。

客観的なデータや資料によって仮説や主張について検証している

卒論は、客観的なデータや資料を使って、仮説や主張を検証するものです。その過程が卒論のなかで記述されている必要があります。例えば、「SNSを主な情報源とする大学生に比べ、他の情報を活用する大学生のほうが、企業に対する理解が正確なのではないか」というのが仮説だとしたら、そのためのデータなどをとって、統計的に比較検討して、仮説が正しいかどうかを確かめる、ということです。

資料を用いて、自らの主張を論証していくのであれば、どのように資料を集めたのか、それらの資料からどのように主張を論証しているのかを記述していきます。

研究の目的に対する結論が明確に述べられている

卒論の考察では、本研究で何を目的としていたのか、そのための仮説は何だったのかを再度説明し、得られた結果からどのような結論となったのかを明確に説明します。

仮説どおりであったのなら、どういう結果から仮説が支持されたのかを説明します。ただし、1つの研究の仮説を検証しただけで、研究のテーマに関してとりあげた問題をすべて解決できるわけではありません。研究上の限界や今後の課題になりうる内容にざっと触れておきます。

また、仮説を検証した結果、仮説が支持されない場合もあります。その場合は、なぜ仮説どおりにならなかったのかを説明します。仮説がそもそも間違っていたのかもしれない、扱ったデータに課題があったかもしれない、当初は想定できなかった問題が発掘されたために仮説どおりにならなかったかもしれない、などいろんな観点から、説明していきます。こうした説明は、重要な研究の成果になりえます。

はっきり理解してほしいのは、仮説どおりの結果が出ないと論文にできないというのは勘違いです。仮説どおりにならなかったのなら、その理由をしっかり説明すれば論文になります。そして、それは立派な結果です。以下の記事では、統計の考え方を知ることの重要性を述べています。そのなかで、有意差をださなければ的な勘違い思考のことに触れています。

研究の成果、限界、今後の課題を説明している

考察の中、あるいは考察のあとに、本研究の成果、限界、今後の課題を説明します。研究の成果というのは、仮説を検証した結果、問いに対してどのような回答が得られたのかを説明します。また、本研究で明らかにできなかった部分、つまり研究上、どのような限界があったのか、そしてそれをもとに今後どのようなことが明らかにされるべきなのか、という今後の課題を説明します。

どうしたらスムーズに書き進められるの?

卒論はどのようにしたらスムーズに書き進められるのでしょうか? 上述した「卒論に含める内容」を的確に伝えられるように以下の手順で書き進めます。

①卒論の構成を把握する

卒論を書く前に、まずはどのような構成で書くのかを把握します。卒論を含め、文章の良し悪しは構成でおおよそ決まります。個々の文章が多少変なところがあったとしても、ちゃんとした構成で書かれていれば、だいたい伝わります。だからといって、テキトーな文章でよいわけではありませんが、どんなにキレイな文章であろうとも、構成ができていなければ、何も伝わりません。

また、構成がちゃんとできていると、おかしな点があったとして、修正は簡単です。骨格を直す必要がないからです。それに対し、個々の文章は良いことを言っていても、構成そのものに問題がある場合は、全面的に書き直しが必要になり、書いたものの大半をやり直すことなります。したがって、構成を明確にし、構成の各パーツで何を書くのかをおさえることが重要です。

卒論の構成には、序論、本論、結論とか、問題と目的、方法、結果、考察など、いくつかのパターンがあります。どのようなパターンが用いられるのかは、所属する学部学科や研究室などで異なってきます。したがって、どのような構成になるのかを指導教員等に確認し、指定された構成の各パーツで何を書くのかをおさえることが大切です。

例えば、序論・本論・結論という構成で書く場合、おおよそ以下のような内容を書いていきます。

卒論の構成例(序論・本論・結論パターン)
  • 序論・・・卒論のテーマに関する社会的な状況を述べたうえで問題を指摘します。そのうえで研究の目的、仮説を述べていきます。用語の定義もこの段階で書いていきます。
  • 本論・・・研究の方法や結果を主に述べていきます。1つの卒論で2つ以上の研究を行う場合、本論のなかで、各研究ごとに、方法、結果、考察を書いていきます。
  • 結論・・・研究全体を振り返り、最終的にどのような知見が得られたのか、本研究はどのような意義があるのか、本研究で明らかにできなかった未解決の問題は何なのかなどを書いていきます。

ちなみに、「出だしが決まれば書ける」という学生さんがいます。序論の一番最初の文章ができたら、そのまま一気に書いていけるという話です。正直、そのような書き方はおすすめしません。むしろ、序論は、最後でもいいぐらい。

序論において、問いや目的だけは明確にしておくのですが、それ以外は、後回しでよいのです。問いや目的を書いたら、方法や結果など、書けるところをどんどん書いていきます。そのあと、逆算して序論に含めるべき内容を考えていく、計画的に練られた文章になります。また、このような書き方を身につけることが重要です。

②「卒論に含める内容」を確認して含めるべき内容を当てはめる

卒論の構成が決まったら、必要な内容をその構成に合わせて、入れ込んでいきます。綺麗な文章にするのはあと回しにして、とにかく必要な内容を入れていきます。その際、上述した「卒論に含める内容」を活用して、不足している説明などがないかなどチェックしておきましょう。

構成を明確にしたうえで、必要な内容を含め、不足している情報をざっと入れておきます。この段階では、文章を綺麗に整えなくてもよいので、全体をみて、主張したい内容が伝わるかどうかを確認しましょう。それができてから文章を整えればよいわけです。

おわりに

この記事では、卒論を書く際に含めるべき内容を解説しました。実際には、所属する学部学科や研究室によって、もっと必要な内容などがあると思います。それでも、以下の内容は共通して必要なものなので、チェックしておくとよいでしょう。

卒論に含める内容
  • 社会的背景を明確に説明しており、研究の意義が理解できる
  • 重要な用語を適切に定義している
  • 信頼できる資料に基づいて体系的に説明している
  • 資料を批判的に検討し、課題や問いを立てている
  • 問いに基づいて研究の目的を明示している
  • 客観的なデータや資料によって仮説や主張について検証している
  • 研究の目的に対する結論が明確に述べられている
  • 研究の成果、限界、今後の課題を説明している

卒論の構成が決まり、必要な内容を含めることができたら、1つ1つのパラグラフや文章を整えていきます。それについては、次の記事を参考にしましょう!

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