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記事の要約
- 大学生のコミュニケーションの困難さを小さなプロセスに分解し、具体的な問題点を特定すること
- 「グループワークでの意見交換や役割分担が苦手」「教員への質問や相談をためらう」「友人との雑談や社交的な場面での会話が苦手」という3つの問題を例としてとりあげる
- 各問題に対し、アプリやツールを活用した実践的かつ効果的な対策方法を詳細に説明
はじめに
大学には、いろんな地域の人が入学してくるため、人間関係の幅が広がります。しかし、学生自身の性格特性や所属学部学科の状況等で、期待して多様な交友関係ができないなんてこともありますね。何らかのグループに所属していて、傍目からは適応しているようであっても、実はうまくコミュニケーションがとれていないということもあるかもしれません。
コミュニケーションにはどのような力が含まれるのか、コミュニケーション能力と大学生活の関係については、以下の記事で説明しています。
本記事では、多くの大学生が抱えるコミュニケーションの問題に焦点を当て、具体的な解決策を提案します。特に注目すべきは、大きな問題を小さなプロセスに分解し、それぞれに対して実践的な対策を立てるアプローチです。
なぜコミュニケーションに苦戦するのか?
大学生活では、人間関係の幅が広がります。一方で、授業の選択制や個人主義的な環境により、他者との交流機会が減少することがあります。このような環境下で、以下の要因によりコミュニケーションの困難が生じやすくなります。
- SNSの普及により、対面でのコミュニケーション経験が不足している
- 論理的に考え、筋道を立てて話す能力が不足している
- 相手の表情や態度を適切に読み取る「観る力」が弱い
- 質問する力や自分の考えを伝える力が不足している
- etc
実際には、これらの要因が個々に働くのではなく、複数の要因が重なって、大学生を苦しめることになります。
コミュニケーションの問題を細分化する重要性
大きな問題に圧倒されないためには、それを小さな部分に分解することが効果的です。なぜなら、小さな部分に分解することで、問題が具体化され、自身の本来の弱点が可視化されるからです。
例えば、コミュニケーションの問題がある場合、次のような困難が生じます。
- グループワークでの意見交換や役割分担が苦手
- 教員への質問や相談をためらう
- 友人との雑談や社交的な場面での会話が苦手
大学生がよく直面する問題ですが、これらを改善しようと思っても、どうしたら良いかわからなくなってしまいますね。上述したように、もっと問題を小さな部分に分解し、本当に弱点となっている部分がどこなのかを可視化することが大切です。
また、解決する場合には、「努力する」「ガンバル」のではなく、取り組みやすい方法やアプリなどのツールを活用することが大切です。つまり、苦手部分を補うための代替手段をみつける、ことがポイントです。
以下では、これらの問題に対する具体的な解決策(つまり、代替手段になるもの)を見ていきましょう。
コミュニケーションの困難における問題別の解決策
① グループワークでの意見交換や役割分担が苦手
グループワークなどでうまく自分の意見を伝えることができないといった経験はありませんか? この問題は以下のプロセスに分解できます。
問題のプロセス:
- 自分の意見を整理できない
- 意見を言葉で表現することが難しい
- 他人の意見を聞いて理解することが苦手
- 役割分担の際に自分の得意・不得意を伝えられない
それぞれのプロセスに対する効果的な解決策(代替手段になるもの)を見ていきましょう。
問題のプロセス | 解決策(代替手段など) |
---|---|
1.自分の意見を整理できない | スマートフォンのメモアプリを使って事前に自分の意見をキーワードで書き出す。簡単に編集できるため、アイデアを整理しやすい。 |
2.意見を言葉で表現することが難しい | 自分の意見を文字で表現する。メモアプリやノートに自分の考えを書き出すことで、口頭で言うよりも落ち着いて考えをまとめられる。また、その書き出したものを相手に見せながら、説明したり、察してもらう。 |
3.他人の意見を聞いて理解することが苦手 | グラフィックレコーディングする。議論の内容を図や絵で視覚化する。視覚情報として捉えることで、他人の意見の理解が促進される。 |
4.役割分担の際に自分の得意・不得意を伝えられない | 自己紹介シートの作成する。事前に自分の得意・不得意をまとめたシートを作成し、グループメンバーに共有する。口頭で説明するよりも正確に情報を伝えられる。 |
② 教員への質問や相談をためらう
先生に質問したいことがあるけど、タイミングがわからない、ためらってしまうということはありませんか? この問題は以下のプロセスに分解できます。
問題のプロセス:
- 質問や相談の内容を適切に言語化できない
- 教員に話しかけるタイミングがわからない
- 対面でのコミュニケーションに不安を感じる
- 質問することで自分の理解不足が露呈することを恐れる
それぞれのプロセスに対する効果的な解決策(代替手段になるもの)を見ていきましょう。
問題のプロセス | 解決策(代替手段など) |
---|---|
1.質問や相談の内容を適切に言語化できない | 質問フォーマットを活用する。「何が」「どのように」「なぜ」という質問の型を使って質問内容を整理する。構造化された質問を作りやすくなる。 |
2.教員に話しかけるタイミングがわからない | オフィスアワーを利用する。教員が設定している相談時間を活用する。話しかけるタイミングを気にせず、落ち着いて相談できる。 |
3.対面でのコミュニケーションに不安を感じる | メールで質問する。対面が苦手な場合、メールで質問や相談をする。文章で整理して伝えられ、即時の返答プレッシャーもない。 |
4.質問することで自分の理解不足が露呈することを恐れる | 匿名質問システムの利用する。授業で匿名質問システムが導入されている場合、それを活用する。名前を出さずに質問できるため、心理的負担が軽減される。 |
③ 友人との雑談や社交的な場面での会話が苦手
雑談などが苦手で自分だけ会話には入れていない気がするといったことはありませんか? この問題は以下のプロセスに分解できます。
問題のプロセス:
- 話題を見つけるのが難しい
- 会話の流れについていけない
- 適切な相槌や反応ができない
- 場の空気を読むことが苦手
それぞれのプロセスに対する効果的な解決策(代替手段になるもの)を見ていきましょう。
問題のプロセス | 解決策(代替手段など) |
---|---|
1.話題を見つけるのが難しい | トピックリストを作成する。スマートフォンにニュースや趣味に関する話題リストを作成しておく。会話のきっかけを簡単に見つけられる。 |
2.会話の流れについていけない | SNSの活用する。LINEなどのSNSを利用して非同期のコミュニケーションを行う。即時の返答を求められないため、ゆっくり考えて返信できる。 |
3.適切な相槌や反応ができない | リアクションスタンプの活用する。LINEなどのメッセージアプリでリアクションスタンプを使う。言葉で表現するよりも簡単に相手の発言に反応できる。 |
4.場の空気を読むことが苦手 | コミュニケーションアプリを利用する。失語症向けに開発されたコミュニケーションアプリを活用する。状況に応じた適切な表現を選択しやすくなる。 |
まとめ
コミュニケーションの改善は、一朝一夕には実現しません。しかし、問題を小さなプロセスに分解し、それぞれに対して具体的な解決策を実践することで、徐々に改善していくことができます。
ここで紹介した方法を、自分の困難の内容に合わせて少しずつ取り入れてみてください。最初は小さな変化かもしれませんが、継続することで大きな成果につながります。
わかっていても、なかなか取り組めないということであれば、以下の「行動のヒント」を参考にしましょう!
- まずは1つのテクニックから始めてみましょう。例えば、伝えたいことを事前に準備するのはいかがでしょうか。
- 1週間試してみて、うまくいった点、難しかった点をノートに記録しましょう。
- 友達と一緒に取り組んでみるのも良いアイデアです。お互いの進捗を確認し合うことで、モチベーションが維持できます。
- 継続は力なり。小さな成功体験を積み重ねていけば、必ず大きな変化が訪れます。がんばりましょう!
コミュニケーションのスキルを磨くことは、大学生活を充実させるだけでなく、将来的なキャリアにも大きく役立つはずです。
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