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言葉の定義をしないとどんな問題が起こるかをまとめてみた

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この記事の内容

タイトルどおりです。卒業論文(以下、卒論)などで言葉をきちっと定義しないとどんな問題が起こるかをまとめました。

なお、Twitterpixivで以下の「20,000字なんて書けません!」という漫画を日々アップしています。この漫画は、主人公のモチバが卒論に取り組みながら、いろいろなことを学んでいく物語です。1日1ページずつアップしていて、18ページ目に「言葉の定義」の話がでてきたので、ブログでその重要性を説明しようと思ったわけです。この漫画の説明は最後にいたします。

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はじめに

「〇〇の定義は?」とゼミの先生からツッコまれることはありませんか?

「う・・・、たしかによくわかってない」「うまく説明できない」と思ってしまうような言葉なら、定義しないといけないと納得すると思いますが、「こういうことでしょ!」って言いたくなるようなアタリマエの言葉についてツッコまれることもあります。

例えば、「やる気」の定義は?とか。

近年では、「やる気スイッチ」なんて言葉があったりしますが、これだってちゃんと定義されているのかわかりません。そもそも「やる気」の定義が人によって微妙に異なってると思いますし。


「やる気」について以下のような質問をされたら答えられますか?

  • 何か行動するためのキッカケのようなものなのでしょうか?
  • それとも、何らかの行動を続けるためのエネルギーのようなものでしょうか?
  • はたまたそれらを全部含んだようなものなのでしょうか?
  • いわゆる「意欲」とか「モチベーション」という言葉とはどのように区別されるのでしょうか?

このように、みんなが知ってそうな言葉であっても、細かい部分をみると何を表した言葉なのかがわからなかったりします。

研究をするということになると、「やる気」に関して理論を立てる必要があります。「やる気」がそもそも何を指しているのかがわからなければ、理論の立てようがありません。

ここでは言葉を定義することの重要性を述べたいわけです。というか、逆に言葉を定義しないとどんな問題が起こるか、を整理します。

言葉を定義しないとどんな問題が起こるか

ここでは主に以下の4点をとりあげます。

  • 言葉を定義しないと正しく伝わらない
  • 定義してみると思ってたのとは違ってたということもある
  • 定義してみたら実は同じ意味だったという言葉もある
  • 言葉を定義しないと説明の途中で言葉の意味が変わってしまうことがある

ひとつひとつ見ていきましょう。

言葉を定義しないと正しく伝わらない

言葉は相手に自分の考えを伝えることが主な役割となっています。その1つ1つの言葉について、相手と同じイメージを持っていないと、自分の考えが正しく伝わりません。それどころか、異なるイメージを持っていると、間違った理解をされてしまうこともあります。

できるだけ馴染みのある言葉を例にしてみましょう。「おとぎ話」という言葉があります。普通に会話している分には何の違和感を持つことなく使ってしまう言葉です。しかし、「おとぎ話」の中には、どんな物語が含まれるでしょうか?

桃太郎、浦島太郎、花咲かじいさん、シンデレラ、ピノキオ、ロミオとジュリエット・・・

全部含むのでしょうか? どれかは含まれないのでしょうか?

「おとぎ話」と似た言葉に、「昔話」とか「童話」とかあったりしますね。これらとの区別はどうなっているのでしょうか?

つまり、「おとぎ話」をしっかり定義しないと、どんな物語が含まれるかがわからなくなってしまいます。「おとぎ話」について話をしているときに、一方は「桃太郎」のようなものをイメージしながら話をしていて、もう一方は「ロミオとジュリエット」のようなものをイメージしているということがあるかもしれません。

「おとぎ話は好きですか?」と聞かれたときに、イメージしているものが違っていたら、好き嫌いも変わってしまいますね。

論文などのように、堅苦しい説明になっている文章の場合、言葉がちゃんと定義されていないと、よけい難しい文章になってしまいます。

本来、1つ1つの言葉を読み取って、文章全体の意味を理解するものなのに、定義がわからない言葉があると、文章全体からその言葉の意味を推測しなければなりません。読み手にとってツライですし、本末転倒です。

また、聞いた言葉から勝手なイメージを持ってしまう人もいます。例えば、「批判的に読む」をどうとらえるでしょうか? 本来は、客観的な視点で疑問を持ちながら正確に情報を読み取るようなことをいいます。しかし、「批判」とついていることから、揚げ足取りをしながら読むようなイメージを持つ人がいるかもしれません。

定義してみると思ってたのとは違ってたということもある

自分自身がこういう意味だと思っていた言葉が、専門的には違っていたり、奥が深かったりすることもあります。

例えば、教育関係では、アクティブラーニングという言葉があります。主体的・能動的な学びという感じの意味です。しかし、アクティブを「活動的」ととらえてしまい、アクティブラーニングを活動を取り入れた授業だと思い込んじゃう人がいます。そうではない。重要なのは、学び手がいかに主体的・能動的になれるような取り組みになっているか、です。活動そのものよりも、学び手がそうなれるような言葉がけや取り組みやすさ、わかりやすさなどの小手先のテクニックがわりと重要です。

他にも、ディープラーニングという言葉。これは人工知能(AI)関係の用語で、深層学習といいます。それをこの文字列から「深い学び」という、いかにも文部科学省とかで使われそうな言葉だととらえてしまう人もいます。注意が必要ですね。

それにもかかわらず、言葉を間違ってとらえたまま、卒論を進めていたら、実は違うことをやってたということもありえるわけです。気づかないまま研究発表をしたら、間違いを指摘されて恥をかくこともあります。

また、恐ろしいことに言葉は変化します。

例えば「発達障害」という言葉。今では有名な言葉ですが、ちゃんと理解している人がどれくらいいるでしょう。ましてやこの言葉がどんどん変化していってることをどれくらいの人が知っているでしょう?

自閉スペクトラム症、注意欠如多動症、などいくつかの症状をまとめて「発達障害」と呼ぶわけですが、どうやら「発達障害」に「知的障害」を含む場合と含まない場合があるようです。広義の発達障害(広い意味の発達障害)を指す場合と狭義の発達障害(狭い意味の発達障害)を指す場合で異なってくるようです。論文などを読んでみると、「ここでは狭義の発達障害として扱う・・・」みたいな説明を加えてる論文もあります。

もともとその道の専門家であれば、こうした情報を難なく扱えるかもしれませんが、ブログで例え話として調べた程度の人間にとっては、この言葉ひとつのために時間割いてしまったので苦労しました。

定義してみたら実は同じ意味だったという言葉もある

上述したものとは逆に、同じ意味なのに、学問分野によって異なる言葉で使われていることがあります。でも、その例を探そうとしたのですが、どこにあったか忘れてしまったので、概要説明のみとします。

ある分野では、Aという言葉で定義されているのに、別の分野では、Bという言葉で定義されている、ということです。ちゃんと定義すると同じものを指すわけです。それぞれの分野で理論が立てられていたりしてるわけですね。

言葉を定義しないと説明の途中で言葉の意味が変わってしまうことがある

使っている本人がその言葉をあやふやにしているために、文章の途中で意味が変わってしまうということも起こりえます。とはいえ、これも説明に適した例を思い浮かばないのです。

例えば、「やる気」について研究するということで、行動を引き起こす「きっかけ」について話をしようとしていたら、意欲が失われてしまう(エネルギーが消失する)みたいな話にすり替わっていた、とか?

まぁ、とにかくこんな感じで、説明の途中で言葉の意味が変化してしまう、ということです。説明を受けてる側だけでなく、説明してる側も大混乱になってしまうのです。

どんな言葉を定義する?

ここまでできっと言葉を定義することの重要性がよくわかってくれたものと勝手に思っておきます。

ではどんな言葉を定義したら良いでしょうか。文章中にあるすべての言葉を定義っていうわけにはさすがにいきません。

論文の中で、「本研究の目的は・・・、あ、本研究っていうのはこの論文で行っている研究ということであって、目的というのはこの研究で明らかにしたいことであって、研究というのは・・・」なんていう説明をするわけにはいかないですよね。定義するべき言葉の目安は以下の通りです。

  • 新しく用いたい言葉や概念は定義する
  • 意味があやふやな言葉は定義する
  • 普通は知らないであろう言葉は定義する
  • 先行研究でわざわざ定義してある言葉は卒論でも定義する

あとは自分の研究をいろんな人に説明してみましょう。うまく伝わらない場合は、言葉の定義が必要かもしれません。

言葉を定義しないことを逆手にとる

まさかの話ですが、言葉を定義しないことを逆手にとった手口を伝えます。

真意を伝えないで相手を強引に説得したい場合は、言葉を正確に定義しないという手があります。完全に悪用です。しかし、実際にいます。どこの組織でも一人はいると思います。

難しい言葉を使って早口で相手を言いくるめることにより、相手の理解を考えずに自分の意見を押し通そうとする人です。

なぜこんなことをわざわざ書いたのか。自分が理解できないうちに強引に押し通されてしまうのは、自分の理解度が悪いのではなく、相手が理解させる気がない可能性があるということ。注意しましょう、とうことです。仕事だけでなく、日常にもそういう人が潜んでいるかもしれません。

まとめ

ということで卒論等で言葉を定義することが如何に重要かを説明しました。

特にメインとなるキーワードについて適切に定義しておかないと、そのキーワードの意味を取り違えていたために、卒論の内容が根幹から崩れるということも、よくあるのです。

優しい先生であれば、卒論ぐらいなら、何らかの手立てで解決してくれるかもしれません。でも、大学院の論文とかでそれをやってしまうと目も当てられません。

文章を書くような仕事でもそうです。言葉の定義は大事です。ニュース系のアプリなどをみていると、そもそもの言葉の意味が間違っている書き手とかいます。本人が恥をかくだけでなく、誤解を真に受けた読み手に害を与えている可能性もあります。

それでも人は間違えます。気づかずに間違った言葉を使っていることもあります。私もあります。その場合はどうすれば良いか。誤解を与えてしまった人に謝るなり、指摘してくださった方に感謝しましょう。

レポート・卒論
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