【漫画】引用・参考文献のルールはチョー大事
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記事の要約
- この記事では、卒業論文(卒論)において遵守しなければならない引用、参考文献リストについて解説しています。
- 引用や参考文献リストを書くうえで注意しなければならない8つのルールがあります。
- 文献の書誌情報のメモは、普段からやっておいたほうがいいです。
はじめに
この記事では、卒業論文(卒論)において不可欠となる引用や参考文献リストの考え方・書き方を解説していきます。そもそもなぜ引用だったり参考文献リストだったりを書かなければならないのでしょうか? 引用や参考文献リストがどうして必要なのか、どのように書いたらよいのかを説明し、適切に引用できているか、参考文献が書かれているかを確認するためのチェックリストを紹介します。
卒論の文献って何?どうして書かないといけないの?
卒論を書く上で、引用や参考文献リストはなぜ書かないといけないのでしょうか? はっきり言います。法的な問題に直結するからです。剽窃といいますが、わかりやすい言葉でいうと盗用ということです。他者の文章やデータを盗むということになります。それをやったがために、修士論文などを取り消しになってしまう院生が実際にいるわけです。引用や参考文献リストを書かないということは、それだけ悪質な問題ということです。卒論でやってきたことのすべてが無駄になります。適切なルールを身につけましょう。
なお、卒論のステップの全体像はこちらの記事をご覧ください。
引用や文献リストを書く、というかそれを明示するということは、「ここの部分は〇〇さんが述べたことで、それを元にして私はこのように考えました」という風に、他者の考えと自分の考えを区別することです。これをしないと、どこかの誰かがやった素晴らしい研究をまるで自分がやったことのように説明してしまうことになります。剽窃という問題にもなりますが、聞いてる側からすると身震いするぐらい恥ずかしいことを堂々とやってるように思えます。想像してみてください。何の引用もなく、ジブリ作品について語ったりしていると、まるでその作品を創ったのは自分だと言い張ってるような感じに聞こえちゃうんですよ。みっともないんです。そのことに気付けることって大切だと思います。
他者の情報を適切に引用する能力は、情報を適切に扱う力ともいえます。この力がないと、著作権違反を平気でするような人間になってしまいます。その意味で、情報を適切に扱う力の獲得は、生涯役立つと考えられる賞味期限のないスキルの獲得につながっていきます。卒論と賞味期限のないスキルの関係については、以下のページをご覧ください。
引用のしかた
引用のしかたについて説明します。引用には、直接引用と間接引用があります。
直接引用
直接引用とは、他者の文章をそのまま使用する方法です。一字一句同じとなるようにします。この場合、引用部分を「」で囲みます。
直接引用の具体例: 山中(2012)は「論文を書く際には、自分の意見と他者の意見を明確に区別することが重要である」と述べている。
この例では、山中の文章をそのまま引用し、鉤括弧で囲んでいます。
間接引用
間接引用は、他者の考えや研究結果を自分の言葉で要約して使用する方法です。
間接引用の具体例: 山中(2012)は、論文執筆における自他の意見の区別の重要性を指摘している。
この例では、山中の考えを要約して自分の言葉で表現しています。
どちらのやり方であっても、自分の意見と他人の意見を区別するために、どの部分が引用なのかを明確にする必要があります。そうしないと、剽窃(ひょうせつ)といって、他者の意見や文章を盗んだということになるからです。
参考文献リストの書き方
参考文献リストは、資料のタイプによってやや異なります。例えば、以下のような感じです。で、以下の例は、生成AIで作成した架空のものです。正しいハルシネーションの使い方かもしれません。なお、これらの書き方は一般的なものですが、所属する学部学科や研究室等によって指定のスタイルがあります。指導教員に確認し、適切な書き方をしましょう。
書籍の場合
著者名. 『書名』. 出版社, 発行年.
例: 山田太郎. 『現代社会学入門』. 未来出版, 2023.
論文の場合
著者名. “論文タイトル”. 『掲載誌名』. 巻(号), ページ, 発行年.
例: 佐藤花子. “日本の若者の就職観に関する考察”. 『社会学研究』. 45(2), pp.123-135, 2024.
新聞記事の場合
記者名. “記事タイトル”. 『新聞名』. 発行日, 朝刊/夕刊, ページ.
例: 鈴木一郎. “AI技術の進化と倫理的課題”. 『日本経済新聞』. 2024年6月15日, 朝刊, p.3.
インターネット上の情報の場合
著者名. “ページタイトル”. Webサイト名. 更新日. URL (参照日).
例: 田中次郎. “地球温暖化対策の最新動向”. 環境情報センター. 2024年3月1日更新. https://www.kankyo-joho.co.jp/chikyu-ondanka (参照 2024-06-20).
引用のしかた・文献リストの注意点は?
引用はどのようにするのでしょうか、文献リストはどのように書くのでしょうか。これについては、所属する学部学科、研究室等によって、細かい部分が異なります。ここでは、以下の共通する内容を示します。
どのようなことなのかを1つ1つ簡潔にみていきましょう。
引用は必要最小限にし、長すぎる引用は避けている
引用というのは、先行研究や専門書で主張された内容を、自身の論文でとりあげることです。あくまで自分の主張を補強するために、先行研究等の内容を引用します。論文の大半が引用で、自分の意見ほんの少し、というのは避けましょう。引用は必要最小限とし、自分の言いたいことをしっかり明示することが大切です。引用がほとんどになると、自分の論文ではないと思ったほうがよいでしょう。
直接引用は「」で囲み、句読点を含めて正確に記述している
直接引用は、先行研究や専門書に書かれている主張を一字一句正確に書くことです。引用した部分は、「」で囲みます。また、句読点も含めて正確に記述します。ただし、「」の中に「」が含まれる場合は、『』にします。例えば、田中(2015)が、以下のように述べているとします。
- 卒論において「直接引用」は、句読点を含めて正確に記述することである。
これを引用する場合、田中(2015)は、「卒論において『直接引用』は、句読点を含めて正確に記述することである」と述べた。「直接引用」を『直接引用』にすることで、どのカッコとどのカッコが対応しているのかをわかりやすくする必要があります。
間接引用は著者の主張を的確に要約している
間接引用は、先行研究や専門書に書かれている内容を要約して説明することです。直接引用だと長くなりすぎる場合などは、間接引用のほうがよかったりします。その場合、先行研究や専門書に書かれている内容と言っていることが変わらないように、的確に要約します。
引用には、著者名と発行年を明示している
田中(2015)は、「・・・・・・」と述べた。というように、著者名と発行年を記述します。複数の著者がいる場合は、田中・山田(2016)は・・・というように書きます。所属学部学科、研究室などで細かい書き方の違いはありますが、著者名と発行年を書くということは共通しています。研究室にてよく確認して正確に記載しましょう。
参考文献リストは資料タイプに合わせて必要情報を不足なく正確に記載している
卒論の本文中で使用した文献は、基本的にすべて参考文献リストに掲載します。それによって、第三者が情報の正しさをチェックできるようにしておきます。資料のタイプというのは、書籍なのか、論文なのか、新聞なのか、信頼できるウェブページの情報なのか、ということです。その違いに合わせて、記載すべき情報がやや異なります。それらを正確に記述しておく必要があります。
引用と参考文献リストの対応が正しい
本文中に引用した文献と参考文献リストに記載している内容が正確に対応していなければなりません。田中(2015)の主張を本文中に記載しているのに、参考文献リストには、それに対応するものがなかったり、田中(2014)と微妙に間違っていたりすると、田中(2015)の主張がどこからのものかを特定できなくなります。
引用と参考文献リストの書式が統一されている
引用で記載する内容、参考文献リストで記載する内容は、所属する学部学科、研究室で指定されたとおりの書式で書いていきます。そして、それが統一されている必要があります。
引用と参考文献の情報が正確で信頼できる。また存在している
引用や参考文献リストで用いられているものは、ちゃんと世の中に存在している資料であり、正確なものである必要があります。適切なリサーチによって集めた資料を参考文献としているのであれば、この点は問題ないと思います。しかし、生成AIなどで不正に作成した文章の場合、世の中に存在しない参考文献を書いている可能性があります。ハルシネーションと呼ばれる問題にあたりますが、絶対にやってはいけません。この問題に対処するため、卒論と同時にすべての参考文献を印刷して提出することを求められる場合もあります。
どうしたらスムーズに引用や文献リストが作れるの?
引用や文献リストをスムーズに書く方法はあるのでしょうか? 実際には、これも慣れなんです。引用の際は、書き方のパターンに慣れて、スムーズに書けるようにする。文献リストは、必要情報を書き溜めて置き、一括して修正する、というのが通常のやり方になります。
したがって、資料を集める際に、必要な書誌情報を書き溜めておくことが重要です。情報の不足があると、後で調べないといけないので面倒です。また、後で調べて見つからなかったら、その資料が使えなくなるので、卒論の本文に影響します。
なお、論文検索サイトのうち、Google Scholarであれば、みつけた論文の「引用」というところを選ぶことで、必要な書誌情報をそっくりそのまま持ってくることができます。他の論文検索サイトではどうなのかはわかりませんけど。
多くの場合、引用や文献リストは、卒論本体ができあがった後、最後に整えることになるのではないかと思います。その際に、この記事で紹介した「引用や参考文献リストの共通ルール」を参考にして、整えていくとよいでしょう。
おわりに
この記事では、卒論における引用と参考文献リストの書き方や注意点について解説しました。面倒な部分ですが、これを正しいルールでやっていかないと、剽窃になります。他者の文章等を盗むことになってしまいます。
普段のレポート等で、コピペなどを平気でやってしまう学生さんもいるのではないかと思います。それがどれだけ悪質な問題なのか、という認識は必要です。剽窃などの卒論あるいは修論などが、ダメになった学生は実際にいます。そして、決して文句はいえません。以下に示す「引用や参考文献リストの共通ルール」をよく確認して、正しいルールで卒論に取り組みましょう。
ここまでで、卒論の進め方についてのひととおりの説明を終えました。必要に応じて追加していきます。全体を振り返る場合は、以下の記事からご確認ください。
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