大学生の日常をちょっとした漫画にしつつ、ちょいちょい大事なことを伝えられればと思います。ちなみに漫画はコミPo!で作成しました。
【4コマ漫画】研究の動機と言われても・・・

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— エアガク@学べる数コマ漫画を目指す (@airgaku) September 7, 2022
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この記事の内容
卒業論文(卒論)では、最初に「研究の動機」とか「その研究をする理由」を書きます。しかし、これらは誤解されやすく、学生さんが「やり直し」をさせられる部分の1つになります。適切な「研究の動機」と不適切な「研究の動機」の違いは何でしょう? 結論を簡単に述べると以下のとおりです。
- 謝った研究動機・・・個人の興味・関心・事情を書く
- 正しい研究動機・・・社会にとってどんな役に立つのか、どんな問題を解決できるのかを書く
具体的には、以下の記事で例をみながら学んでいきましょう。
「研究の動機」に対する勘違い
卒業論文(以下、卒論)の構成は、様々にありますが、最初に「序論」とか「問題と目的」とか「はじめに」と言われるものを書きます。
いずれも研究の出だしになるような部分で、何のためにその研究を行うのか、研究で何を明らかにしようとしているのかを書いたりします。
このうち、何のためにその研究を行うのか、つまり「研究の動機」あるいは「研究の理由」については、よく勘違いされることがあります。
おそらく、指導してくださる教員からは、「序論では研究の動機を書け」「なぜその研究をするのかという理由を書きなさい」など指導されるのではないでしょうか。
それ自体は間違いはありません。しかし、どうやら学生さんはこれを勘違いして受け取ってしまうようです。たしかに、一般的に使う「動機」や「理由」と、研究や論文で使う「動機」や「理由」は意味が大きく異なりますので、勘違いが生じるのはしかたがないかもしれません。
研究や論文における「動機」や「理由」は、社会的・学術的になぜその研究をする必要があるのか、その研究をすることでどのような問題が解決されるのか、ということを述べます。
しかし、学生さんは、一般的に使われる「動機」や「理由」だと思ってしまうのか、「自分がなぜその研究に興味を持ったのか」「自分がなぜその研究をやろうと思ったのか」という個人的な興味や理由を書こうとしてしまいます。でもそれは大間違いです。
卒論の書き方について紹介しているブログを調べてみても、序論で書く内容として次のような説明があったりしますが、誤解を生む表現であることに注意が必要です。
- 序論では、自分が興味を持った理由を書きましょう
- 序論では、なぜこの卒論テーマを選んだのかという理由を書きましょう
そうすると学生さんは次のように個人的な事情を「研究の動機」として書いてしまいます。
私は高校時代、〇〇で悩むことがよくあった。しかし、それは△△と考えることもできる。そのため、この研究テーマに興味を持った。
もう少し具体的な例は後述しますが、こんな個人的な事情は論文では不適切です。
個人の興味・関心・事情があって研究をするのではなく、その研究が社会にとってどんな役に立つのか、どんな問題を解決できるのかにつながっていかなければなりません。
もし、卒論を審査してくれる教員がテキトーな方だったら、こんな個人的な事情を書いてもOKとなるかもしれません。そうすれば、字数稼ぎぐらいには使えるかもしれません。
でも、論文をしっかり読む先生なら、やり直しをさせられます。字数稼ぎにもなりません。
「研究の動機」に何を書くか
では、「研究の動機」にはどのようなことを書くのでしょうか。
繰り返しになりますが、「自分がこんな体験をしたから・・・」のような個人的な事情は書きません。読み手にとって、何の価値もない情報だからです。共感ぐらいはしてくれるかもしれませんが、役に立つ情報にはなりません。
「研究の動機」として述べるのは、その研究がなぜ必要なのか、社会的にどんな意味があるのか、その研究をすることでどんな問題が解決されるのかなど、研究をする意義です。どんな人にとって、どのように役立つのかをイメージできると良いかもしれません。
ちなみに、「研究の動機」についてわかりやすく述べてくれているサイトとして、ロンカツというのがありました。このサイトは、「研究の動機」に対する悪い例と良い例を示してくれているので参考になると思います。
本記事でも、誰でも経験するような、もっと身近な例を「研究の動機」としてとりあげてみましょう。
研究の目的は「より良く卵の殻をむく方法を検討する」ことだとします。
「研究の動機」の悪い例
「より良く卵の殻をむく方法を検討する」研究の動機として、悪い例を紹介します。
私は生まれてから一度も卵の殻を上手にむけたことがなく、家族や友達からよくからかわれていた。私自身も、もっと上手にむくことができたら、卵のすべてを味わうことができるし、殻と一緒多くの自信を失わずに済んだだろうと考えている。そのため、卵の殻を上手にむく方法を研究テーマとする。
身近な例をとりあげてみましたが、いかがでしょうか。こんな出だしで卒論を読んだときにどう思いますか?
正直、「知らんがな」って言いたくなりません? 「わかるわかるー」と思う人もいるかもしれませんが、重要な研究だと思ってその後を読む人はなかなかいないですよね。
「研究の動機」の良い例
次に、「より良く卵の殻をむく方法を検討する」研究の動機として、良い例を紹介します。
卵の白身には、良質なタンパク質やビタミンB群が豊富に含まれている。しかしながら、ゆで卵の殻をむくときに、殻と一緒に白身がはがれてしまい、多くの白身を廃棄せざるを得なくなることがある。その結果、卵のもつ栄養素を大幅に失うことになるとともに、生ゴミを増やす一因となってしまう。また、卵の殻を上手にむくことができなかった人にとって、失敗体験を重ねさせてしまうことになるため、卵に対するネガティブなイメージが形成されるかもしれない。このことは、卵を食べることに対するモチベーションを低下させることになるかもしれない。そのため、卵の殻を適切にむくための方法について検討することは重要な研究課題であるといえる。
いかがでしょうか。卒論っぽくないですか?
読み手にとって重要な情報を提供してくれそうな内容という気がして、「読んでみようかな」という気持ちになりますよね。
こんな風に社会的・学術的に意義がありそうな内容を「研究の動機」として書くと良いでしょう。
まとめ
卒論の出だしとして書く「研究の動機」あるいは「研究をする理由」について、学生さんたちがよくする勘違いについて説明し、どのようなことを書いたら良いか、例を交えて説明しました。
よくある勘違いとして、興味を持った理由などの個人的な事情を「研究の動機」として書く人がいます。しかし、卒論では、社会的・学術的にどのような意義があるのかを「研究の動機」として書きます。
指導教員から「やり直し」をくらわないような「研究の動機」を書きましょう。
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