大学生の日常をちょっとした漫画にしつつ、ちょいちょい大事なことを伝えられればと思います。ちなみに漫画はコミPo!で作成しました。
【4コマ漫画】健康のためによく噛まないと・・・

漫画は、感情表現なども簡単なので、文章の限界を超えて伝えられます。漫画を簡単に作成できるコミPo!は強力な表現ツールといえます!
この記事のねらい
卒業論文(以下、卒論)のテーマを決めるのって大変ですよね。どんなテーマだったらスムーズに進められるのか、どんなテーマなら先生方に認められる論文になるのか、テーマを決める方法を教えてもらったけどピンとこない、など卒論のテーマを決めるのに悩む人は多いでしょう。
自分の興味をもとに卒論のテーマを探していくことは大切ですが、そのテーマが決まらなくて半年、一年と経過してしまうのは、あまりにも時間がもったいないです。また、卒論はテーマが決まった後、それに関する情報収集・整理、調査、データ処理、結果の解釈など、やることがたくさんあります。それら全体をとおして社会で活躍するためのスキルを獲得していくのだと考えると、テーマを考えることだけで大幅に時間を失っているわけにはいきません。
この記事では、卒論のテーマを見つけるための手がかりを考えてみます。あくまで手がかりなので、ここで紹介したテーマはすでに研究されているかもしれません。その場合はさらに発展させるように考えていきましょう。
「よく噛んで食べる」をもとに卒論テーマを考えてみる
4コマ漫画では、サンドイッチを時間をかけて食べるという話になっていました。
「よく噛んで食べる」ことは、いろいろなメリットがありそうなので、ググってみると、独立行政法人 労働者健康安全機構 北海道中央労災病院治療就労両立支援センターの2018年のPDF資料がありました。この資料によると、「よく噛んで食べる」ことのメリットには次のものがあります。
- 肥満防止・・・満腹感が得られ、肥満を防ぐ
- 味覚の発達・・・食べ物の味を味わうことができる
- 言葉の発音・・・口の中の筋肉が動き、ハッキリとした発音になる
- 脳の発達・・・脳に血液と一緒に栄養分が運ばれて、脳の働きが活性化する
- 歯の病気予防・・・よく噛むと歯の掃除になり、歯ぐきの血流がよくなる
- ガンの予防・・・よく噛むことで唾液の分泌が促され、癌の予防につながる
- 胃腸快調・・・消化吸収を抑止し、胃腸の働きを良くする
- 全力投球・・・あごが発達し、全身に力がいきわたる
なお、これらの言葉の頭文字をとって、「ひみこのはがいーぜ(卑弥呼の歯が良いぜ)」というフレーズができあがるようです。
ちゃんとした組織が出している資料に書いてあることのようなので、「よく嚙んで食べる」ことは大事なことだと自信をもっていえそうな気がします。
しかし、ここで話を終えてしまっては、卒論のテーマにはなりません。卒論のテーマを考えていくためにいくつかの課題を提案することが大切です。「よく嚙んで食べる」ことに関する卒論のテーマ例を考えてみました。
- よく噛んで食べることをどうやって習慣づけるか
- よく噛んで食べる人が、急いで食べることを求められる場面でどう対処するのか
それぞれ説明していきます。
「よく噛んで食べることをどうやって習慣づけるか」について
よく噛んで食べることは健康面においてメリットが大きいことはわかっています。しかし、それを習慣づけることは難しいですよね。
もともとよく噛んで食べることが習慣になっている人は良いですが、普段あまり噛まないとか早食いをしてしまう人にとっては、無意識のうちにあまり噛まずに食べてしまったりします。
論文検索サイトのGoogle Scholarで「咀嚼回数」(咀嚼(そしゃく)は食物が細かくなるまで噛むことをいいます)を検索すると、咀嚼回数を促進・向上・増加させるためのシステムだったりデバイスだったりトレーニングだったりに関する論文がでてきます。
それはそれで面白いかもしれませんが、一般の人にとって手が出にくいやり方なんですね。何ていうか、もっとお手軽にできる「咀嚼回数促進方略(よく噛んで食べるための方法)」はないだろうかを考えていくことが大切です。
そのため、もっとお手軽にできる効果的な咀嚼回数促進方略を研究課題とします。例えば、次のような感じです。
- どんな人たちがどんな咀嚼回数促進方略を使っているのか
- どんな咀嚼回数促進方略が使いやすいのか、あるいは効果的なのか
- 咀嚼回数促進方略を意識づけたり習慣づけたりするにはどうしたら良いか
- 咀嚼回数促進方略に関わる失敗には何があるか
- etc
これらの研究課題を卒論っぽくするには、検証可能なテーマにする必要があります。例えば、次のような感じです。
- 「よく噛んで食べる」の意識が高い人と低い人で、咀嚼回数促進方略に違いがあるのか
- 健康に関する意識が高い人と低い人で、咀嚼回数促進方略に違いがあるのか
- 「よく噛んで食べる」人とそうでない人で、咀嚼回数を高めるための習慣づけのしかたに違いがあるのか
- 「よく噛んで食べる」習慣をつけることに失敗した人が、どのような失敗をしており、その失敗をどのようにとらえたか?
- 咀嚼回数の違いで食べる物に違いがあるのか、あったとしたらその理由は?
- 大学生の咀嚼回数とその家族の咀嚼回数の関係
- etc
なお、 独立行政法人 労働者健康安全機構 北海道中央労災病院治療就労両立支援センターの2018年のPDFでは、咀嚼回数を増やすための調理の工夫や食べ方の工夫について紹介されています。
こういった情報を参考にしながら、アンケート調査などを行うと、なかなか面白い卒論ができるのではないかと思います。
「よく噛んで食べる人が、急いで食べることを求められる場面でどう対処するのか」について
ゆっくり食べたいけど、そのようにできない環境があります。そのような環境下では、「よく嚙んで食べる」ことはデメリットとなってしまうかもしれません。時間的に急いで食べないといけない場面もあれば、周囲からプレッシャーがかかってしまうこともあります。
ゆっくり食べる人の悩みとして、次のものがあります。
- 約束の時間に間に合わない
- 授業あるいは仕事がもうすぐ始まる(または休み時間がもうすぐ終わる)
- 一緒に食べている人が食べ終わって待っている
- 周囲からマイペースな人と思われてしまう
- ラーメンがのびてしまう
たしかに周囲の状況に合わせて行動することは大切ですが、だからといって、よく嚙まないで食べるのは健康上のデメリットが大きいわけです。また、急いで食べることによって、せっかく身につけた「よく嚙んで食べる」習慣が失われてしまうかもしれません。
したがって、ゆっくり食べることが適さない場面において、「よく嚙んで食べる」を実践しつつ、その場に適した行動をとれるようにする方法は、多くの人が知りたいことではないでしょうか。このことから、以下のような解決すべき研究課題があげられます。
- 急いで食べることを求められる場面で、よく噛んで食べるにはどうしたら良いか
- 会食場面において、周囲の人と食べるペースを合わせないといけないという意識がなぜ生まれるのか
- 周囲の人と食べるペースを合わせることと、よく噛むことでは、どちらが大事だとされているのか
- etc
これらの研究課題を卒論っぽくするには、検証可能なテーマにする必要があります。例えば、次のような感じです。
- 友人との食事場面でゆっくり食べる人に対してどのようなイメージがあるか
- ゆっくり食べる人は、時間が限られているときにどのように食事をとっているのか
- 子どもの頃の親からの食に対するしつけが、現在の食事のペースに関する意識にどのように影響しているか
- 早く食べることが困難な人との会食において、早食いの人がどのように振舞うか
- etc
まとめ
「よく噛んで食べる」をもとにして卒論テーマ案を考えてみました。ここでとりあげた卒論テーマは、しっかり調べていくとすでに研究されているものもあるでしょう。その場合は、その先行研究では解決できていない問題へと発展させて考えていくと良いでしょう。
卒論テーマが何も決まらず、この記事の内容にマッチした分野であるなら、ここにある内容をアレンジして考えてみてはいかがでしょうか。
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