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漫画のド素人だけど、妄想を1つの物語として完結させるために工夫したこと

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この記事の内容

漫画のド素人にもかかわらず、自分の妄想を物語としてカタチにしたい人が、完結まで作りきれるようにするために必要なことを書いてみました。漫画家を対象としているのではなく、本業を別に持っているような、漫画のド素人を対象にしています。途中で投げ出さないで最後まで作りきるためには、こういうやり方でやったらいいんじゃないかなっていう話です。

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はじめに

自分が考えた物語をちゃんとカタチにしたいけど・・・

漫画や小説などの物語が好きな人だけど、読むだけではなく、自分でも作ってみたいと思って、アレコレ妄想する人がいますよね。私ですけど・・・。他にもそういう人がいると思うんです。

後述するコミPo!というソフトを使えば、ポッと漫画ができるということなので、私は、購入して実際に作ったりしています。

そんな便利ソフトがあったりしても、物語を1つ完成させるのって大変です。頭の中ではアレコレ物語ができあがっているようでも、それを実際に目に見えるカタチに具現化しようとすると、細かい部分が全然できていなかったり、どこから手を付けていいかわからなくなったり、カタチにしようとすること自体にとてつもなくエネルギーを要してしまったり・・・。

そんなわけで「また今度にしよう」とか「もういいや」っていう気持ちになったりします。途中まで物語を作っていたとしても、めんどくさくなったり、ネタがなくなったり、ちょっと恥ずかしくなったりしてやめてしまうということもあります。本業が別にあって、漫画で食べてるわけではない人だと、特にそうなんじゃないかなと思います。やめようと思ったらいつでもやめられてしまいますので。

そんな感じで、計画倒れの状態になってしまうと、もう1度物語を作ってみようと思ったときに、ハードルが高くなってしまいます。失敗体験になっちゃうから。

だからですね、ちゃんと物語を完結させることって大事だと思うわけです。その物語が、長かろうが短かろうが完結させてしまえば成功体験になるし、「こんな物語作ってます」って人に言えるわけです。やめてしまったら、堂々と言えなかったりします。

実際に完結まで作ってしまうと達成感が半端ないですよ。

1話ずつ完成させるよりも、5~10話ずつまとめてざっくり作る

どんな手順で物語作りに取り組んだら良いか? 簡単に言えば、1話ずつ完璧を求めようとせず、5~10話ずつまとめてざっくり作る。それでその5~10話をまとめて整えていくという感じです。

ちなみに、私は、「桃から出れない桃太郎」という物語を作りました。ほぼ4コマ(数話ほど3コマ)で全96話です。毎日Twitterに投稿したものです。

9月8日に1話目を作って、毎日1話ずつの投稿です。「桃から出れない桃太郎」の終盤には、別の物語に着手したくなったので、81~96話は1日半で完成させました。

何が言いたいかというと、Twitterに毎日投稿できるぐらいコンスタントに作り続けることができましたよ、そして完成させましたよ、というのが達成感がありすぎて、人に伝えたい感じなわけです。

物語を作ろうとして行動にうつせなかった人や途中でやめてしまった人からみると、すごいことじゃないですか? プロの漫画家さんからすると全然たいしたことではないんでしょうけどね。本業の片手間でありながら、ちゃんと継続してやったんだから、ちょっと褒めてほしい…。しかたないから、自分で自分を褒めるだけですけど…。

で、それはいいとして、片手間の時間しかとれない私が、どうやって物語を完結までもっていったかっていうのを伝えたいわけです。その方法は、「1話ずつ完成させるのではなく、5~10話ずつまとめてざっくり作る」ということです。

1話ずつ完璧を求めちゃいけません。プロじゃないんですから、ざっくりでいいんです。5~10話分ぐらいざっくり作って、またその5~10話分を少しずつ丁寧にして完成に持っていくんです。より具体的には、次のようなステップで進めていきます(詳細は後述)。

  1. 物語の全体像を考える(テキストベース)
  2. 5~10話ていどをざっくり作る(テキストベース)
  3. その5~10話をセリフまで作る(テキストベース)
  4. その5~10話をざっくり漫画にする(コミPo!ならラク)
  5. その5~10話を細部までこだわる

なぜこのような手順で作ったら良いのでしょうか? 理由は主に3つあります。

0から作ろうとすると消耗が激しい。それを繰り返すのはもっと消耗する

創作でも本などの原稿でもそうですが、0から何かを生み出すのって消耗が激しいです。でも、すでにあるものを修正するのは、それほど消耗しません。5話分の話があったときに、1話ずつ「0から創って完成させる」を5回繰り返すのはしんどいのです。ところが、5話分を1つの塊として扱うと、「0から創る」部分が1回で済む感じになります(少なくとも私はそうでした)。ざっくりした内容であっても、5話分を作ってしまえば、その5話は0ではないわけです。1以上になっているので、あとは修正していけば良いのです。これだと、あまり消耗しないんです。不思議ですけど・・・。後述しますが、私は、テキストベースで5話分などをまとめて作りました。

最初はざっくりテキストベースで作ると、修正が効きやすいし物語のつじつまを合わせやすい

タイトルどおりです。ざっくり作った場合は、修正がしやすいです。頭の中ではイイ感じの物語だったのが、実際に具体的なカタチにしてみると、あまりおもしろくなかったり、セリフのタイミングがイマイチだったりで、「何か違うな」ってなっちゃうんですね。で、修正が必要になってきます。でも、1話分ずつ完成させてしまってからだと、修正するのが大変です。というか、せっかく完成させた1話分の話なのに、修正どころかやり直しみたいな感じになってしまうと、目も当てられません。でも、その1話分がテキストベースで作られたていどのものなら、修正しやすいです。修正しやすいということは、物語の全体のつじつまを合わせやすいわけです。

詳細までこだわるかは後で考えればいい

1話ずつ詳細までこだわって作ってしまうと、それを維持して5~10話分作らないといけないので、とても気が重くなります。でも、5~10話分をざっくり作るていどにしておいて、こだわるかどうかはその後で考えればいいわけです。時間がないときはざっくり全体作って完成した気になっても良いと思います。細部にこだわりたくなったらこだわればいいのです。コミPo!だったら、ざっくり作ったモノでも見れるものにはなるのでおススメです。

というわけで、5~10話分ざっくり作ってから詳細にこだわる、という手順が良いと思われるわけです。詳細は後ほど。

完成させるための心構え

ここまでのまとめ的な感じですが、完成させるための心構えを3つとりあげます。

  • 1話ごとに完璧を求めない
  • 自分がド素人であることを忘れない(「これでいいのだ!」感が大事)
  • 最初から細部にこだわらない(それ以上に物語全体を完成させることを意識する)

以下では、「桃から出れない桃太郎」を例に、6話分の物語作成ステップを示します。ちなみに、4コマ×6話です。あくまでド素人なので、作りやすい4コマ漫画にしています。そのうち、コマ割り漫画に挑戦するつもりです!

物語作成のステップ

物語の全体像を考える(テキストベース)

物語の全体像はあるていど考えておいた方が良いでしょう。といっても、物語の特徴的な部分だったり、どうなったら終わりになるのかという部分だったり、ですが。

とはいえ、物語の全体像の考え方については、プロの漫画家さんが優れたやり方を持っていると思います。本格的に作りたいなら、そういう人の作り方を参考にした方が良いでしょう。

ただ、魅力的なストーリー、面白いストーリーの作り方を解説してくれてるサイトを眺めたりすると、主要キャラの性格やら言葉遣いを詳細に決めたり、行動の背景事情を設定したり、それぞれの人間関係を事細かに決めたりとかで、ハードルが高すぎる。重すぎる。そんなの考えてる最中に物語作りを諦めてしまいます。

プロじゃないと割り切って、というかド素人であるメリットをいかして、いい加減な作りでいいから、楽な気持ちで物語を完成させることに集中しちゃいましょう。

ということで、「桃から出れない桃太郎」について、初期の頃に、物語の全体像をどのように考えたかを示します。

最初に、①どんなキャラに何をさせたいか、②どんなシーンを描きたいか、③物語をとおして何を伝えたいか、などのうち考えやすいところをざっくり書き出します。なぜなら、これら3点は、物語を作りたいと考えたときに、妄想しやすい部分であり、物語を構成するうえでの手がかりになるからです。

どんなキャラに何をさせたいか

  • 桃太郎が桃から出れないまま旅をする
  • おとぎ話の女性キャラが鬼退治で活躍する
  • 花咲かじいさんの犬(シロ)も活躍させたい

どんなシーンを描きたいか

  • いろんなおとぎ話に乱入する感じにしたい
  • ドラクエなどのゲームとも関連づけたい
  • 泉の女神を登場させて、物語の進行に役立つ重要なアイテムを入手させたい
  • 竜宮城に行ったり、宇宙(かぐや姫関係で月)に行かせたい→けっきょくこれはボツ

物語をとおして何を伝えたいか

  • 特になし。あえてあげるなら、桃太郎は桃から出れなくても鬼退治ができるかを証明??

次に、どうなったら物語が終わりになるかを決めます。終わりを決めておかないと、話がぐだぐだになりますからね。あと終わり、というか目的が決まっていると、そこに向かうように話を作るので方向性が明確になります。キャラの行動も定めやすくなります。なお、「桃から出れない桃太郎」の終わり方は、以下のとおりシンプルです。

  • 桃から出れない桃太郎とその仲間が、鬼ヶ島で鬼をやっつけて、世界が平和になる

つじつまを合わせる。キャラにさせたいことや、物語に含めたいシーン、伝えたいことがあって、それが物語の目的(終わり)に向かっていくように、話のつじつまを合わせます。「桃から出れない桃太郎」では例えば以下のように考えてみました。

状態問題点つじつま合わせ
桃太郎が桃から出れない。自力で移動が困難であり、物語の進行上ちょっとツライ。移動能力を身につけさせる必要があるので、魔女の魔法で移動できるようになることにする。
シンデレラを仲間にして旅させたい。シンデレラの物語のとおりに王子様と結婚すると、旅に出れなくなる。結婚を阻止するため、ガラスの靴が台無しになるようにする。
シンデレラが旅に出る理由がないシンデレラが家にいるのが気まずくなって自分で生活するが、お金がないことにする。桃太郎と一緒にいた方が生活できるという流れにする。
花咲かじいさんのシロを仲間にして旅させたい。意地悪じいさんのせいで、シロが亡くなってしまうわけにはいかない。シロを意地悪じいさんから引き離す必要がある。
桃太郎の話なのだから、キジに対応するキャラがほしい。漫画作成ソフトのコミPo!にキジの3D素材がない。キジの代わりにニワトリなども考えられるが、いっそ卵をキャラとして扱えば、鳥の種類による違いは解消されるのではないか。
鬼退治させたい。メンバー的に鬼に勝てる気がしない。桃太郎たちが魔法を使えるようにする。

結果としてできあがった物語の全体像は次のとおりです。

  • 桃太郎が桃から出れないまま旅をする
  • シンデレラと出会う
  • 魔女の魔法で桃太郎に移動能力が身につく
  • シンデレラが城の王子様と結婚し損ねる
  • シンデレラが仲間になって一緒に旅をする
  • 犬のシロや卵が仲間になる
  • 旅をしながら魔法を身につける
  • 何らかの事情で鬼退治をする必要が出てくる
  • 鬼ヶ島に行って鬼を倒す

5~10話ていどをざっくり作る(テキストベース)

物語の全体像ができたので、5~10話ずつざっくり作っていきます。最初はテキストベース(文章だけの物語)です。ここでは、桃太郎がシンデレラと出会う部分について6話分をテキストベースで用意します。

桃太郎がシンデレラと出会う

  • 桃太郎がシンデレラのところに飛んでくる(桃から出れない桃太郎は移動能力がありません。何らかの事情で飛んでくるか、誰かに運ばれてくるかしないといけません)。
  • シンデレラが大きな桃を見て驚く。
  • 桃太郎がシンデレラをみて、ちょっときどってみる。
  • シンデレラは、大きな桃がしゃべっているのをみて、再び驚く。

シンデレラが舞踏会に連れて行ってもらえない。魔女が助けてくれる

  • シンデレラがお城の舞踏会に連れて行ってもらえなくて悲しい思いをしている。
  • 魔女が現れて、魔法でシンデレラを舞踏会に連れて行ってくれることになる。
  • 12時にはお城から出ないといけないことを魔女が説明する。
  • さらに、魔女はシンデレラに、お城の階段にガラスの靴を置いておけば、玉の輿に乗れるという入れ知恵をする(後の展開のために、ガラスの靴を置くのは意図的だったという流れにする必要があった)。

魔女の魔法で、桃から出れない桃太郎に移動能力が備わる

  • 魔女が魔法で、カボチャを「カボチャの馬車」に変えようとする。
  • カボチャの隣にいた桃太郎が、魔女の魔法に巻き込まれる。
  • 「カボチャの馬車」の予定が、「カボチャの馬」と「桃の車」になる。
  • シンデレラが「桃の車」で舞踏会に行く。

シンデレラが王子様との結婚に失敗する

  • 舞踏会が終わり、もうすぐ王子様が迎えにくると思っているシンデレラは、イジワル家族に対し、強気な態度に出る。
  • しかし、お城の階段に置いてきたはずのガラスの靴を桃太郎が持ってきてしまっていた。
  • 王子様が迎えに来ないことを悟り、シンデレラが頭を抱えて叫ぶ。

家を出たシンデレラと桃太郎が再会する

  • シンデレラの家をでた桃太郎は、マッチ売りの少女に出会う(何となくマッチ売りの少女とからめたくなった)。
  • マッチが売れなくて困ている少女に桃太郎が声をかける。
  • マッチ売りの少女の正体は、シンデレラだった。
  • シンデレラは家を出ていき、生活のためにマッチ売りのバイトをしていた。

お金を稼ぐためにシンデレラが桃太郎に同行することになる

  • シンデレラはマッチが売れなくて、お金に困っていた。
  • 桃の車となった桃太郎はけっこうなスピードで走れることに気づく。
  • 桃太郎とシンデレラでフードデリバリーの仕事をすることになる。
  • こうして、シンデレラが桃太郎の仲間になる。

おおまかな流れはこんな感じです。話の途中でつじつまが合わないところがあったりしても、文章を直せば良いだけなので、修正は簡単です。

その5~10話をセリフまで作る(テキストベース)

次に、もう少し詳細な内容をテキストベースで作ります。どのくらい詳細かというと、キャラのセリフやそのときの状況を書き出すぐらいのレベルです。上記の「ざっくり作る」レベルを詳細なレベルにしてみましょう。

テキストベース(ざっくり)テキストベース(セリフや状況まで)
桃太郎がシンデレラと出会う
・桃太郎がシンデレラのところに飛んでくる。
・シンデレラが大きな桃を見て驚く。
・桃太郎がシンデレラをみて、ちょっときどってみる。
・シンデレラは、大きな桃がしゃべっているのをみて、再び驚く。
1コマ
・あらすじ:桃から出れない桃太郎はクジラのくしゃみで飛んでいきました
・状況:ヒューンと桃太郎が飛んでくる
2コマ
・状況:桃太郎がシンデレラの近くに落ちてくる(隕石でも落ちてきたぐらいに激しくドーン)
・シンデレラ:きゃあ
3コマ
・状況:シンデレラと桃太郎がお互いに気づく
・ナレーション:落ちた場所には美しい女性がいました
・シンデレラ:わぁ! おっきな桃! どうして空から…?
4コマ
・状況:桃太郎がちょっとかっこつける
・ナレーション:シンデレラとの運命的な出会いでした
・桃太郎:や、やぁ。驚かせてしまったようだね
・シンデレラ:しゃべった!?
・ナレーション:桃のクセに何を気取ってるんですか?
シンデレラが舞踏会に連れて行ってもらえない。魔女が助けてくれる
・シンデレラがお城の舞踏会に連れて行ってもらえなくて悲しい思いをしている。
・魔女が現れて、魔法でシンデレラを舞踏会に連れて行ってくれることになる。
・12時にはお城から出ないといけないことを魔女が説明する。
・さらに、魔女はシンデレラに、お城の階段にガラスの靴を置いておけば、玉の輿に乗れるという入れ知恵をする。
1コマ
・あらすじ:桃から出れない桃太郎はシンデレラと出会いました。今回は桃の出番はないです
・イジワル家族:あなたは留守番よ!
・シンデレラ悲しむ
・ナレーション:シンデレラはお城の舞踏会に連れて行ってもらえず悲しい思いをしていました
2コマ
・ナレーション:そんなシンデレラの前に魔女が現れました
・魔女:私の魔法で舞踏会に参加させてあげるわ
・シンデレラ:ありがとうございます! 魔女様!
3コマ
・魔女:でも、ひとつだけ約束してちょーだい!(顔アップですごむ感じ)
・シンデレラ:な…何でしょう? ちょっと恐いです…
4コマ
・魔女:12時にはお城から出るのよ。そして、お城の階段にガラスの靴をしれっと置いておく! これで玉の輿確定だから!
・シンデレラ:わかりました! 必ずや!
・ナレーション:ロマンスもへったくれもない入れ知恵です
魔女の魔法で、桃から出れない桃太郎に移動能力が備わる
・魔女の魔法で、カボチャを「カボチャの馬車」に変えようとする。
・カボチャの隣にいた桃太郎が、魔女の魔法に巻き込まれる。
・「カボチャの馬車」の予定が、「カボチャの馬」と「桃の車」になる。
・シンデレラが「桃の車」で舞踏会に行く。
1コマ
・あらすじ:シンデレラは舞踏会に行くため魔女に助けてもらいます。なお、桃から出れない桃太郎は寝てます
・魔女:カボチャを馬車に変えましょう
・シンデレラ:そんなことができるんですか?
2コマ
・魔女:簡単よ!(杖を振りかざす)
・桃太郎:ぐわぁ(驚く)
・状況:魔女の杖でカボチャと桃にビカビカと光があたる。桃が魔女の魔法に巻き込まれた状況
3コマ
・魔女:失敗・・・(たらりと汗)
・状況:魔女の魔法が失敗して、カボチャが馬になって、桃太郎が車になる。文字として「カボチャの馬と桃の車」を入れる
・シンデレラ:何だコレ?(ツッコミな感じ)
4コマ
・状況:桃の車にシンデレラが乗って駆け抜ける。背景をいじってスピード感を出す
・ナレーション:桃の車で舞踏会に行きます
・シンデレラ:はや~い(喜ぶ)
シンデレラが王子様との結婚に失敗する
・舞踏会が終わり、もうすぐ王子様が迎えにくると思っているシンデレラは、イジワル家族に対し、強気な態度に出る。
・しかし、お城の階段に置いてきたはずのガラスの靴を桃太郎が持ってきてしまっていた。
・王子様が迎えに来ないことを悟り、シンデレラが頭を抱えて叫ぶ。
1コマ
・あらすじ:シンデレラは桃の車で舞踏会に行ってきました。その次の日のことです
・シンデレラ:よくも今までイジメてくれたわね! けど、それもおしまい! もうすぐ王子様がガラスの靴をもってここにくるわ! こんな家ともオサラバよ!
・ナレーション:あれ? シンデレラってこんな人でしたっけ?
2コマ
・状況:桃太郎の頭の上にガラスの靴が乗っている
・イジワル家族:ガラスの靴ってそれのことかい?(ガラスの靴を指さす)
・シンデレラ:あれっ!?(ガラスの靴をみて驚きすぎて目が飛び出す)
3コマ
・シンデレラ:ななな……何で、ガラスの靴がここに…?(アップで顔が青ざめる)
・桃太郎:え…いや、お城に忘れてったみたいだから、拾っといたんだが…。マズかった?(すごまれて汗がダラダラ)
4コマ
・シンデレラ:それ持ってきちゃいけないやつーっ!(頭を抱えて「ああぁあぁぁ」、激しく涙)
家を出たシンデレラと桃太郎が再会する
・シンデレラの家をでた桃太郎は、マッチ売りの少女に出会う。
・マッチが売れなくて困ている少女に桃太郎が声をかける。
・マッチ売りの少女の正体は、シンデレラだった。
・シンデレラは家を出ていき、生活のためにマッチ売りのバイトをしていた。
1コマ
・あらすじ:桃から出れない桃太郎はシンデレラの玉の輿を台無しにしてしまいました。そして再び旅に出ました
・怖そうな人:マッチなんか、いらねーんだよ!
・赤ずきん(シンデレラ):きゃあ!
・状況:マッチが落ちてばらける
・桃太郎:その状況に気づく
2コマ
・桃太郎:大丈夫ですか?
・赤ずきん(シンデレラ):あ…ありがとうございます(弱々しい感じ)
・ナレーション:どうやらこの女性はマッチ売りの…
3コマ
・ナレーション:シンデレラ?
・赤ずきん(シンデレラ):あ!(桃に気づく)
・桃太郎もシンデレラだと気づく
4コマ
・桃太郎:何をやってるんですか? こんなとこで
・シンデレラ:マッチ売りのバイト。家にいづらくなったから自分で生きることにした(ちょっとかっこいい感じで、頭巾を持って)
・ナレーション:なかなかたくましいシンデレラです
お金を稼ぐためにシンデレラが桃太郎に同行することになる
・シンデレラがマッチが売れなくて、お金に困っていた。
・桃の車となった桃太郎はけっこうなスピードで走れることに気づく。
・桃太郎とシンデレラでフードデリバリーの仕事をすることになる。
・こうして、シンデレラが桃太郎の仲間になる。
1コマ
・あらすじ:桃から出れない桃太郎はマッチ売りのバイトをしているシンデレラに再会しました
・桃太郎:マッチって売れるんですか?
・シンデレラ:ぜんぜん。ライターやチャッカマンの方が便利だもんね
2コマ
・シンデレラ:何かニーズのある仕事ないかなぁ…
・桃太郎:おいらに何かできることがあればいいんですが…(申し訳なさそうに)
・ナレーション:シンデレラの玉の輿を台無しにした責任を感じている
3コマ
・状況:シンデレラが桃太郎を見ながら何か考えてる風
・シンデレラ:・・・
4コマ
・ナレーション:フードデリバリーで稼ぐことにした
・シンデレラ:ピザをお持ちしました
・客:え? めっちゃ早いね。けっこう距離があるのに…
状況:町などから離れた感じにするためポツンと家がある
・ナレーション:こうしてシンデレラが仲間に加わった(ドラクエ風の吹出し)

テキストベースで、キャラのセリフや状況まで作りました。テキストベースなので、修正したいことが出てきても、簡単に修正できます。実際、上記のセリフも何度か修正を重ねています。私の場合、例えば、以下のような点に注意して修正しました。

  • キャラのそのときどきの気持ちやその変化が反映されていること
  • 1コマあたりの情報量(セリフなど)が多くなり過ぎないようにすること
  • 話がスムーズに流れているか(ぐだぐだになっていないか)

1話分で情報が多過ぎたり、説明が多過ぎる場合には、2話、3話ぐらいに分けると良いです。また、だらだらしてる感じがあれば、数話分を1話にまとめると良いです。

その5~10話をざっくり漫画にする(コミPo!ならラク)

セリフや状況説明までをテキストベースで作ったので、それを実際に漫画にしてみます。仮作成の段階です。プロの漫画家であれば、ネームを作る段階にあたると思います。

ここで細かい部分までこだわると作るのがめんどくさくなってしまいます。したがって、①必要な素材とセリフを配置する、②キャラの表情をそれっぽくする、③用意するのに時間がかかりそうな素材などは後回しにしてメモだけ残す、ていどで作ります。

以下では、6話それぞれについて、「テキストベース(セリフや状況まで)」を再掲し、それを元に、ざっくり作った漫画(仮作成)を示します。

桃太郎がシンデレラと出会う

1コマ
・あらすじ:桃から出れない桃太郎はクジラのくしゃみで飛んでいきました
・状況:ヒューンと桃太郎が飛んでくる
2コマ
・状況:桃太郎がシンデレラの近くに落ちてくる(隕石でも落ちてきたぐらいに激しくドーン)
・シンデレラ:きゃあ
3コマ
・状況:シンデレラと桃太郎がお互いに気づく
・ナレーション:落ちた場所には美しい女性がいました
・シンデレラ:わぁ! おっきな桃! どうして空から…?
4コマ
・状況:桃太郎がちょっとかっこつける
・ナレーション:シンデレラとの運命的な出会いでした
・桃太郎:や、やぁ。驚かせてしまったようだね
・シンデレラ:しゃべった!?
・ナレーション:桃のクセに何を気取ってるんですか?

シンデレラが舞踏会に連れて行ってもらえない。魔女が助けてくれる

1コマ
・あらすじ:桃から出れない桃太郎はシンデレラと出会いました。今回は桃の出番はないです
・イジワル家族:あなたは留守番よ!
・シンデレラ悲しむ
・ナレーション:シンデレラはお城の舞踏会に連れて行ってもらえず悲しい思いをしていました
2コマ
・ナレーション:そんなシンデレラの前に魔女が現れました
・魔女:私の魔法で舞踏会に参加させてあげるわ
・シンデレラ:ありがとうございます! 魔女様!
3コマ
・魔女:でも、ひとつだけ約束してちょーだい!(顔アップですごむ感じ)
・シンデレラ:な…何でしょう? ちょっと恐いです…
4コマ
・魔女:12時にはお城から出るのよ。そして、お城の階段にガラスの靴をしれっと置いておく! これで玉の輿確定だから!
・シンデレラ:わかりました! 必ずや!
・ナレーション:ロマンスもへったくれもない入れ知恵です

魔女の魔法で、桃から出れない桃太郎に移動能力が備わる

1コマ
・あらすじ:シンデレラは舞踏会に行くため魔女に助けてもらいます。なお、桃から出れない桃太郎は寝てます
・魔女:カボチャを馬車に変えましょう
・シンデレラ:そんなことができるんですか?
2コマ
・魔女:簡単よ!(杖を振りかざす)
・桃太郎:ぐわぁ(驚く)
・状況:魔女の杖でカボチャと桃にビカビカと光があたる。桃が魔女の魔法に巻き込まれた状況
3コマ
・魔女:失敗・・・(たらりと汗)
・状況:魔女の魔法が失敗して、カボチャが馬になって、桃太郎が車になる。文字として「カボチャの馬と桃の車」を入れる
・シンデレラ:何だコレ?(ツッコミな感じ)
4コマ
・状況:桃の車にシンデレラが乗って駆け抜ける。背景をいじってスピード感を出す
・ナレーション:桃の車で舞踏会に行きます
・シンデレラ:はや~い(喜ぶ)

シンデレラが王子様との結婚に失敗する

1コマ
・あらすじ:シンデレラは桃の車で舞踏会に行ってきました。その次の日のことです
・シンデレラ:よくも今までイジメてくれたわね! けど、それもおしまい! もうすぐ王子様がガラスの靴をもってここにくるわ! こんな家ともオサラバよ!
・ナレーション:あれ? シンデレラってこんな人でしたっけ?
2コマ
・状況:桃太郎の頭の上にガラスの靴が乗っている
・イジワル家族:ガラスの靴ってそれのことかい?(ガラスの靴を指さす)
・シンデレラ:あれっ!?(ガラスの靴をみて驚きすぎて目が飛び出す)
3コマ
・シンデレラ:ななな……何で、ガラスの靴がここに…?(アップで顔が青ざめる)
・桃太郎:え…いや、お城に忘れてったみたいだから、拾っといたんだが…。マズかった?(すごまれて汗がダラダラ)
4コマ
・シンデレラ:それ持ってきちゃいけないやつーっ!(頭を抱えて「ああぁあぁぁ」、激しく涙)

家を出たシンデレラと桃太郎が再会する

1コマ
・あらすじ:桃から出れない桃太郎はシンデレラの玉の輿を台無しにしてしまいました。そして再び旅に出ました
・怖そうな人:マッチなんか、いらねーんだよ!
・赤ずきん(シンデレラ):きゃあ!
・状況:マッチが落ちてばらける
・桃太郎:その状況に気づく
2コマ
・桃太郎:大丈夫ですか?
・赤ずきん(シンデレラ):あ…ありがとうございます(弱々しい感じ)
・ナレーション:どうやらこの女性はマッチ売りの…
3コマ
・ナレーション:シンデレラ?
・赤ずきん(シンデレラ):あ!(桃に気づく)
・桃太郎もシンデレラだと気づく
4コマ
・桃太郎:何をやってるんですか? こんなとこで
・シンデレラ:マッチ売りのバイト。家にいづらくなったから自分で生きることにした(ちょっとかっこいい感じで、頭巾を持って)
・ナレーション:なかなかたくましいシンデレラです

お金を稼ぐためにシンデレラが桃太郎に同行することになる

1コマ
・あらすじ:桃から出れない桃太郎はマッチ売りのバイトをしているシンデレラに再会しました
・桃太郎:マッチって売れるんですか?
・シンデレラ:ぜんぜん。ライターやチャッカマンの方が便利だもんね
2コマ
・シンデレラ:何かニーズのある仕事ないかなぁ…
・桃太郎:おいらに何かできることがあればいいんですが…(申し訳なさそうに)
・ナレーション:シンデレラの玉の輿を台無しにした責任を感じている
3コマ
・状況:シンデレラが桃太郎を見ながら何か考えてる風
・シンデレラ:・・・
4コマ
・ナレーション:フードデリバリーで稼ぐことにした
・シンデレラ:ピザをお持ちしました
・客:え? めっちゃ早いね。けっこう距離があるのに…
状況:町などから離れた感じにするためポツンと家がある
・ナレーション:こうしてシンデレラが仲間に加わった(ドラクエ風の吹出し)

漫画を仮作成しました。用意するのに時間がかかりそうな部分はメモ書きですませています。セリフはあらかじめ作っているので、ほぼコピペです。必要に応じて、吹出に入るかどうかで微調整したりするていどです。

テキストベース(セリフや状況まで)から漫画(仮作成)を作るのに、30分かかっていません。コミPo!の操作に慣れている人であれば早いと思います。

そんなに時間かからずに、この状態になるわけですが、それでもこれら6話分は、0の状態ではないわけです。

最初に説明しましたが、創作の際、0から1を作るのはとても消耗します。重い腰をあげるのに苦労するのはこのときです。しかし、1から2、2から3というように修正を加えていく作業はそれほど消耗しません。

そして、これら6話分は、もっとも消耗しやすい段階を終えた状態になります。ここからは修正作業に入っていくので、わりとスムーズに作れるようになっていきます。

その5~10話を細部までこだわる

漫画(仮作成)から細部までこだわった漫画にしてみましょう。とはいえ、こだわるのは自分自身です。自分で納得するところに到達すれば、その時点で漫画作成を終了して良いわけです。

その例として、漫画(仮作成)と漫画(細部まで)を横並びにして以下に示します。ギャラリー表示しているため、2つの画像が全部移っていない場合は、スライドさせて確認してください。左の画像が上記で示した漫画(仮作成)であり、右の画像がそれを修正したものです。

桃太郎がシンデレラと出会う

左が仮作成、それを修正したものが右。

シンデレラが舞踏会に連れて行ってもらえない。魔女が助けてくれる

左が仮作成、それを修正したものが右。

魔女の魔法で、桃から出れない桃太郎に移動能力が備わる

左が仮作成、それを修正したものが右。

シンデレラが王子様との結婚に失敗する

左が仮作成、それを修正したものが右。

家を出たシンデレラと桃太郎が再会する

左が仮作成、それを修正したものが右。

お金を稼ぐためにシンデレラが桃太郎に同行することになる

左が仮作成、それを修正したものが右。

これで見れるものにはなったと思います。見れるものになっていれば、あとはどこまでこだわるかの問題なので、「ここでいいや」ってなったら、ブログに公開するなり、Twitterやpixivに投稿するなりすれば良いと思います。

最終的には次のようになりました。髪のツヤとか、ちょっとしたこだわりを入れています。ギャラリー表示していますので、表示されていない部分があれば、スライドさせながら見てください。

そもそもコミPo!って?

私が漫画を作る際には、コミPo!というソフトを使っていますので、ちょっと紹介します。

コミPo!は「絵を描かなくてもポッとマンガがつくれちゃう!」というフレーズで紹介されるとおり、絵が描けない人であっても、3Dキャラを配置して表情やポーズを調整するなどすることで、簡単に漫画を作成できるツールです。そして、現在、Ver.4になって非常に表現の幅が広がっています。

漫画は、文章やデータだけの資料とは異なり、読んでみようかなと思う気持ちを高めるし、キャラの表情・マンプ・状況などによって、感情表現などもしやすいわけです。その意味で「伝える」ためのツールとして非常に強力なのです。

気になる方は無料お試し版を使ってみると良いと思いますし、そもそも基本ソフト自体が税込880円なので安いんです。買ってしまえばいいかなと思ってしまいます。

ちなみに、私は、仕事で使おうと思ってたんですが、コミPo!自体が面白くて、毎日簡単な作品をつくっている状態です。今のところ仕事では活かせていません・・・(笑)

コミPo!の基本的な使い方はいろんなサイトにありますし、以下の本を読めば様々なテクニックについて知ることができます。

まとめ

自分の妄想を漫画としてカタチにしたいド素人を対象として、ちゃんと完結まで作るための工夫を紹介しました。

ポイントは、1話1話丁寧に作るのではなく、5~10話ぐらいずつまとめてざっくり作り、それらをまとめて修正していくという流れで作ると良いでしょう、ということです。

特にコミPo!を使っていれば、漫画作成が本当に簡単になります。

さて、私自身は、コミPo!を使った創作によって毎日が楽しいです。仕事で忙しいけれども、その合間に創作という趣味を取り入れると、とても充実した日々を送れます。だから、「桃から出れない桃太郎」を完結させた後も、別の物語を作って楽しもうと思います。

今度は、4コマ漫画ではなく、コマ割りの漫画にしてより表現の幅を広げて作ってみたいです。

漫画創作
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