【4コマ漫画】ハンバーガーの比較データをとろうと思ってしくじった話・・・。

大学生の日常をちょっとした漫画にしつつ、ちょいちょい大事なことを伝えられればと思います。ちなみに漫画はコミPo!で作成しました。

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【4コマ漫画】ハンバーガーが余った!?

漫画は、感情表現なども簡単なので、文章の限界を超えて伝えられます。漫画を簡単に作成できるコミPo!は強力な表現ツールといえます!

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この記事の内容

以前の記事で「統計がわかる~ハンバーガーショップでむりなく学ぶ、やさしく楽しい統計学~」について書いたわけですが、実際にこの本を使ってゼミで学生さんに統計の指導をしてみました。


おススメの理由は【4コマ漫画】初心者向けの統計の本は何がおススメですか?という記事で紹介しているとおりです。「これ以上わかりやすいテキストはないだろう。学生さんも、理解してくれるだろう」と意気込んで指導してみたら、意外な成果があったので、記録しておきます。

伝えたいことは、「良い題材で学習すれば、教員も指導しやすいし、学生さんも力を発揮できる」ということです。

なお、「統計がわかる~ハンバーガーショップでむりなく学ぶ、やさしく楽しい統計学~」と毎回書いているのは、見苦しくなりそうなので、「ハンバーガー統計学」と略しておきます。

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統計学の話なのに思いのほか盛り上がった

私のゼミの学生は、統計学のような数学系を苦手としている方が多く、今までは、統計の話をすると、学生さんは黙り込んじゃってました。できるだけわかりやすく統計学を説明するために、ハンバーガー統計学をテキストとして使用したわけですが、内容がイメージしやすいだけにいろんなところで学生さんからツッコミがでてきたりするんですね。

t検定(対応あり)の説明部分を例にとってそのツッコミを紹介します。まず、ハンバーガー統計学のテキストでは、t検定(対応あり)の説明のため、次のような状況を設定しています。

  • ハンバーガーショップでアルバイトをしているエミが先輩の助けを借りて、ハンバーガーに関する調査・分析を行います。
  • t検定(対応あり)の説明のときは、ワクワクバーガーとモグモグバーガーという2種類のハンバーガーの味を比較するため、女子高生8人にその2つのハンバーガーを食べてもらい、点数をつけてもらうという状況です。
  • 1人の女子高生が2つのハンバーガーを食べることになりますが、ハンバーガーを食べた順序の影響で、点数が変わってしまう可能性があります。そのため、8人のうち4名はワクワクバーガーを先に食べ、残り4名はモグモグバーガーを先に食べました。
  • ワクワクバーガーとモグモグバーガーのそれぞれで、8人分の点数データがあります。


この調査のように、1人の人につき2つのデータがあり、その2つのデータを比較するような場合を、「対応あり」という言い方をします。ほかにも、「国語のテストと算数のテストのどっちが難しいかを比較するため、10人の生徒の国語の点数と算数の点数を比較する」というのも「対応あり」となります。

逆に、国語のテストは、Aさん・Bさん・Cさん・Dさんの点数を使い、算数のテストは、Eさん・Fさん・Gさん・Hさんの点数を使うというように、テストごとに使用するグループが異なる場合は、「対応なし」といいます。

ネットで調べれば「対応なし」と「対応あり」の違いは、いくらでも説明がでてきますが、ハンバーガー統計学のテキストの説明はとてもわかりやすいです。

統計の考え方の本題は、ハンバーガー統計学のテキストにまかせるとして、この記事では、上記の題材で学生さんに統計学の指導をしたらどうなったかを説明します。女子高生にワクワクバーガーとモグモグバーガーという2種類のハンバーガーを食べてもらう調査だったわけですが、学生さんからいろいろなツッコミがきました。

  • 女子高生がハンバーガー2つも食べられないんじゃないですか?
  • むしろ、食べられても、その量を食べれると思われたくなくて食べなかったりすると思う。
  • カロリーが高すぎる。
  • ハンバーガー2つじゃなくて、ポテトのセットの方がお得感がある。
  • 安いのを選べばハンバーガー2つの方が安い。
  • 調査に使ったハンバーガーは自腹ですか?
  • 同じ店にいろんな種類のハンバーガーがあるから、単純に比較できなくないですか?
  • 街頭でハンバーガー2つ食べてとか言われたら、怪しくて食べられない。断りそう。協力してくれなそう。
  • 余ったハンバーガーは誰か食べるのかな。誰かにあげる? その場合は、お金とる?

ツッコミの内容がけっこう現実的なんですよね。しかも、調査に慣れていない人は、実際にやりそうな失敗についても語ってくれていました。

データをとるために余分に調査の材料(この場合はハンバーガー)を用意して処分に困ることは実際にあるよ、という話を真面目にすると、「たしかに、やりそう・・・」と反応があったりで、対話的?な学習が成り立っていたので、指導する側も充実します。

ハンバーガーを2つも食べられない場合に、どうやって調査するのかというのを考えていったら、「1個のハンバーガーを2つに分けたら調査できるんじゃないか」という話になったので、4コマ漫画を考えてみました。

テキストでの学び以外にも得られたものがある

ハンバーガー統計学のテキストを使って、盛り上がりながら、統計を学んだわけです。授業時間の半分ぐらいは脱線してしまったわけですが、盛り上がってたぶん、統計の重要な話をするときも学生さんがお互いに教え合ったり相談し合ったりして、理解を深められました。

ハンバーガー統計学は独学にも使えると思いますが、教員が学生さんに統計を指導するのにも使いやすいテキストだなと思います。

せっかくいろんなツッコミがでてきたので、データ収集・分析におけるやりがちなミスについてもゼミでまとめました。例えば次のような感じです。

  • ハンバーガーショップ統計の本にも書いてあることですが、1人の人に2つの調査を実施する場合は注意が必要です。例えば、漫画Aの評価点と漫画Bの評価点を同じ人につけてもらうという調査。最初に評価した方の影響が後の評価に現れることがあります。
  • 食べ物や飲み物に関する調査をしようとしたら、怪しんで誰も協力してくれない、ということがあります。
  • 協力してもらいやすいように、何らかの場面設定をし、そこに参加してくれた人に協力を依頼するというやり方があります(例、大学の授業で調査をする)。その場合は、協力してもらいやすいわけですが、その場面に参加している時点で何らかの特別なグループということになります(例、ある授業を履修している学生)。これは、しかたがないことでもありますが、偏りのあるデータになっている可能性があることを意識しておくことが大事です。

ちなみに、アンケート調査に関する失敗は、【4コマ漫画】アンケート作りに失敗したら、データをとり直すしかないんですか!?において、アンケート作りにおける様々な失敗例と対処法を紹介しています。

授業はいろいろ脱線もしましたが、1つ1つのツッコミは、現実の調査で起こりうる問題なわけで、納得できるものですし、良い学びになっています。

学生さんに専門書や論文で批判的に読ませようとすると難しいわけですが、理解しやすい題材に対しては批判的に考えられるし、ディスカッションもできます。つまり、学生さんには、もともとそういう力はあるわけですね。題材次第でその力を引き出すことができるという良い例です。

学生さんから出てきたツッコミをちゃんと拾っていくと、統計学に対する理解を深められることがよくわかりました。今後も、ハンバーガー統計学をテキストとして積極的に使っていこうと思います。

まとめ

できるだけ題材は「わかりやすく」「おもしろく」「学生さんが意見しやすい(例、ツッコミどころがある)」ものにしておくと良いということです。それによって、学生さんが本来持っている力を引き出すことができるし、力が引き出されることにより、互いに学び合い、用意していた題材以上に知識を深められます。

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